<北京冬季五輪>IOC、「熱心な警備員のミス」蘭テレビレポーターへの妨害めぐり

2022/02/07
更新: 2022/02/07

北京冬季オリンピック開会式当日、生中継していたオランダテレビ局のレポーターが、中国の警備関係者から妨害されたことについて、国際オリンピック委員会(IOC)の報道官は5日、「熱心な警備員によるものだ」と偶発的な出来事だとの認識を示した。

オランダテレビ局「NOSニュース」のスヨルド・デン・ダース記者は当時、開会式場の周辺で生中継していた。赤い腕章をつけた保安関係者とみられる男性が突如、画面に入り込み、同記者を押しながらカメラの前から引きずり出した。

同記者は中国語で「ちょっと待ってください、今、ニュースの生放送中です」と再三にわたり説明したが、男性は聞き入れなかった。呆れた記者は笑顔を保ちながら、報道カメラに向かって「先ほども別の場所で追い出された」と話した。

映像はすぐにスタジオに切り替えられ、一部始終を目の当たりにしたスタジオの女性キャスターは驚きを隠しきれない様子だった。

中国当局が生中継を強制中止させた理由はまだわからないが、NOSニュースの発表によると、ダース記者は数分後に別の場所から生中継を再開した。

IOCのマーク・アダムス報道官は5日、事件が熱心な警備員によるミスだとし、「一回だけのこと」と説明した。

ダース記者は同日、ツイッターを更新し、「ここ数週間、私を含む複数の外国人記者が警察によって何度か妨害された」と反論した。生放送中にこのような妨害はめったにないとしても、「IOCが主張する一回限りの出来事とは考えられない」と指摘した。

NOSニュースのマルセル・ゲラウフ編集長は、「(今回の出来事で)この国の報道の自由のあり方を痛感させられた」と苦言を呈した。

(翻訳編集・叶子静)