中国に締め出されたリトアニアビール、台湾で人気

2022/01/20
更新: 2022/01/20

リトアニアの老舗ビールメーカー、ヴォルファス社のホルバチャウスカス(M.Horbačauskas)社長はこのほど、台湾市場での販売量が急増していることを明らかにした。中国によるリトアニアへの報復の影響を受け、同社は昨年10月、中国向けの受注分をすべて失った。

約7年前に中国市場に参入して以来、売上を順調に伸ばしてきた。だが、台湾問題をめぐって中国は昨年、市場からリトアニア製品を排除するなど報復を強めている。取引先の中国企業から「新聞もネット上もリトアニア批判一色だ」とキャンセルの連絡が入った。損失額は約50万ユーロ(約6300万円)に上る。

2020年、台湾市場に進出した。昨年の販売量は18万リットルと初年度の8千リットルから大きく増えた。台湾の代理店は「市場の反応がとても良い」と手応えを感じている。

リトアニアは近年、台湾との関係を強化している。コロナ禍では、台湾に約25万本の中共ウイルス(新型コロナ)ワクチンを提供した。昨年11月、「台湾」の名を冠した出先機関「駐リトアニア台湾代表処」を開設した。

これに反発した中国はリトアニアに対して報復措置を講じ、両国の関係が悪化した。中国は駐リトアニア大使を帰国させ、リトアニアにある中国大使館を領事館へ格下げした。リトアニア製品は中国の税関で足止めされるなど、中国は市場から同国製品を締め出している。

リトアニアを応援するために台湾企業が立ち上がった。今月3日にも、中国から輸入を拒否され、中国の港で足止めされていたリトアニア産ラム酒2万400本を台湾企業が買い取った。

ホルバチャウスカス社長は台湾の中央通信社に対して、「愛は双方向のもので、台湾で愛されているなら、それに応じる用意がある」と今後、台湾で事業を拡大する意向を示した。

(翻訳編集・李沐恩)