ジェトロは8日、2021年度ロシア進出日系企業実態調査の結果を発表した。同調査は9月10日から30日にかけて実施し、日系企業の121社を対象にアンケート調査を行った。その結果、7割超えの企業が黒字を見込んでおり、韓国(85.3%)に次いで2番目となった。
調査結果によると、「黒字」企業には製造業で78.9%、非製造業で72.3%。新型コロナウイルス感染症によって落ち込んだ経済が回復し、消費が伸びたことなどが要因だという。
今後1〜2年の事業展開を尋ねたところ、「拡大」と答えた企業が40.5%で、4年ぶりに増加。「縮小」と答えたのが3.6%と前年より7.2ポイント減少。拡大する機能について8割が販売機能と回答した。
今回の調査で、ロシア進出日系企業の経営上の問題点は「競合相手の台頭」「従業員の賃金上昇」などが経営上の課題として挙げている。投資環境に関しては、「不安定な為替」「行政手続きの煩雑さ」が主要なリスク要因であることがわかった。
政府は海外進出企業に対してビジネスと人権リスクを考慮するよう促しているが、ロシア進出日系企業は「人権に関する方針」で経営課題として認識するも、調達先企業に準拠を求める動きは少ないようだ。サプライチェーンにおける人権の問題を経営課題として認識していると回答した企業は半数だった。8割を超える企業が「納品先企業からサプライチェーンにおける人権に関する方針への準拠を 求められたことがない」と回答した。
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