カナダの上院議員は24日、中国の新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する法案を提出した。議員は、共産党政権の残虐な人権侵害に対してカナダの「態度は甘い」と批判し、禁輸措置を取ることでカナダの正しい姿勢を示すべきだと訴えた。
法案は、中国政府がウイグル人に対して広範な人権侵害を行っていると非難されている新疆ウイグル自治区で全体的または部分的に製造された製品の輸入を禁止する。カナダが既に導入したウイグル関連の制裁対象は、強制労働への関与が疑われる製品にとどまるが、新法は自治区全体を禁輸対象にするよう求める。
法案を提出したホウサコス上院議員は、「新法により中国共産党の残虐な人権侵害にカナダが強い立場を取り、真剣に取り組んでいることを示すことができる」と意義を述べた。
カナダは2020年7月、北米自由貿易協定(NAFTA)の規範に基づき関税法を改正し、強制労働で作られた製品の輸入を禁止した。カナダ国境サービス庁(CBSA)は最近、同法に基づき中国から輸入された衣料品に対して初めて禁止措置を取ったと発表。しかし、国境サービス担当者が製品の生産過程を視覚的に確認することができないため、判断するには課題が残るとしている。
これに対し、ウイグル人権擁護プロジェクト(URAP)のメフメット・トフティ氏は、強制労働製品がカナダに輸入される可能性を排除するためには、カナダ当局は中国共産党により強硬な姿勢を取るべきだと主張し、新法の必要性を訴えた。また、新疆ウイグル自治区からの製品を禁止する法律がなければ、カナダは強制労働によって作られた製品の「避難所」になると、同国が置かれる国際的な立場にも懸念を示した。
英シェフィールド・ハラム大学が今月発表したレポートによると、2022年北京冬季五輪でカナダ代表のユニフォームデザインを務める「ルルレモン」が、仲介業者を介して入手した新疆綿を使用している可能性があると判明。URAPをはじめとする25団体が同社にユニフォームの提供を取りやめるよう求める事態となっている。
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