オーストラリアのスコット・モリソン首相は11月22日、首都キャンベラで行われた記者会見で、中国を念頭に、貿易相手国に対して経済的脅迫を行う国は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の加盟条件を満たしていないと強調した。
モリソン首相は、「CPTPPの加盟条件は非常に厳しい。新規申請国は(これらの条件を)満たす必要がある。他の貿易相手国を脅かしたという記録が残らないことが重要だ」と述べている。
モリソン氏はまた、この問題に関して日本の岸田文雄首相と緊密に協力していると述べた。岸田首相は、12日に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、CPTPPは不公正な貿易慣行や経済的強制を容認しないと警告した。
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国である。昨年4月、豪政府がウイルスの発生源について独立調査を求めたことを受けて、中国政府は年間200億豪ドル(約1兆7000億円)以上に相当するオーストラリアの輸出品に対する貿易報復を開始した。
貿易制裁の対象となったのは、牛肉、大麦、石炭、綿花、銅、水産物、砂糖、木材、ワインなど、幅広いオーストラリア製品である。制裁措置としては、オーストラリア製品への高額な関税、輸入停止、通関遅延などがある。
CPTPPへの加入には、全加盟国の同意が必要である。中国政府がCPTPPへの加入申請を発表した2日後の9月18日、オーストラリアのダン・ティーハン貿易相は、中国の加盟に反対する姿勢を明確にし、中国当局にその旨を伝えた。
(翻訳編集・王君宜)
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