EUなど32カ国、中国の貿易優遇措置を撤廃へ

2021/11/08
更新: 2021/11/08

欧州連合など32カ国は、中国に付与した貿易優遇措置「一般特恵関税制度(GSP)」を廃止したことが、中国税関当局の10月28日付の通達でわかった。

中国税関総署の公告で、欧州連合(EU)全27カ国、英国、カナダ、トルコ、ウクライナ、リヒテンシュタイン向け輸出品のGSP原産地証明書の発行を中止すると発表した。対象国に輸出される中国製品は事実上、GSP関税優遇措置を受けられなくなる。

これにより、中国にGSP優遇を引き続き付与しているのはノルウェー、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国のみとなった。

GSPとは、先進国が発展途上国から輸入を行う際に関税率を引き下げるもので、発展途上国の支援を目的としている。1978年以来、40カ国が中国に同関税優遇措置を付与した。

近年、日本、スイス、ロシア、カザフスタン、ベラルーシが中国への同関税優遇措置を相次いで撤廃した。

主な理由は、中国は経済成長により、発展途上国として支援を受ける必要がなくなったためだ。

一方、米国で複数の議員がこのほど「中国貿易関係法(China Trade Relations Act)」を提出した。同法案は、2001年、クリントン政権時代に中国に付与した「恒久的正常貿易関係(PNTR)」の解消を求めている。PNTRとは、対象国からの輸入製品への関税差別を永久に撤廃するという米国の貿易優遇措置である。

(翻訳編集・叶子静)

関連特集: 欧州・ロシア