米中央情報局(CIA)は7日、中国当局による脅威に対応する新しい部署「中国ミッションセンター(CMC)」を立ち上げると発表した。中国官製メディアは、CIAは現在、中国の標準語や方言を話せるエージェントを募集していると報じ、米国のスパイを捕まるための「人民戦争」を呼びかけた。
CIAのバーンズ長官は声明で、中国当局こそが「わが国が21世紀に直面する最も重大な地政学的脅威」だと主張した。
中国外務省の趙立堅副報道局長は8日の記者会見で、CIAの対応を「典型的な冷戦思考だ」とした。また、中国国営中央テレビ(CCTV)は16日、CIAは中国語を話せるエージェントを募集していると報じた。CIAの募集要項には、広東語や上海語などの方言を話せることも含まれているという。しかし、CCTVはこの報道の情報源を明らかにしていない。
中国のSNS上では、ネットユーザーはCCTVの同報道に強い関心を示した。中国版ツイッター、微博(ウェイボー)では、「#米情局が標準語と方言がわかる諜報員を募る」が、16日当日、2億8000万回閲覧された。
17日、中国軍機関紙「解放軍報」の微博アカウント「鈞正平工作室」は、投稿で「米国のスパイ」を摘発するための「人民戦争」を行おうと呼びかけた。
人民戦争理論は毛沢東思想の核心の1つだとされる。国内のすべての人々を立ち上がらせて、全国民の力で敵に打撃を与えると主張する。
米CNNは18日、中国当局はCMCを巡って誤情報を広めているうえ、プロパガンダ宣伝を展開していると非難した。中国当局による「スパイ摘発キャンペーン」では、外国メディアの特派員、外国人の宣教師やNGOスタッフだけでなく、中国国内の反体制派、人権弁護士、ジャーナリストなども標的にされる可能性があるとCNNは指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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