中国、在ミャンマー中国人詐欺犯の帰国呼びかける その真意は

2021/10/05
更新: 2021/10/05

中国当局は2月から、ミャンマー北部で電信詐欺を働いた中国人に対して帰国を呼びかけている。従わない場合、「戸籍抹消」と強硬姿勢を見せている。一方、専門家は中国政府の動機に懐疑的な見方を示した。

中国官製メディアの環球網は1日、1万人以上の市民が「自首」のために押し寄せてきたため、瑞麗市では感染拡大の予防体制が非常に厳しい状況にあると伝えた。

中国の湖北省、湖南省、広東省、広西省など各地政府が出した通知は、「電信詐欺や中国とミャンマーの越境犯罪への取締り」を理由に、中国人に帰国を求めている。

従わない場合、失踪や死亡を宣告し、戸籍を抹消する。中国にいる家族の就学、雇用、給与、銀行口座の開設も「影響を受ける」と記されている。

中国と国境を接する山岳地帯に位置するミャンマー北東部のシャン州では、政府の統治を受けない、少数民族武装勢力が支配する地域が存在し、近年電信詐欺を働く中国人の集まる場所となった。英BBCによると、詐欺に従事している人数は、10万人以上いるという。

いっぽう、専門家は政府の動機に懐疑的な見方を示した。

豪州在住の北京大学法学部元教授、袁紅冰氏は海外華字メディアに対し、中国政府が帰国を呼びかけたのは、反体制派が組織した中国革命党がミャンマー北部で反共の武装基地を確立したためだと述べた。

「北京が恐怖を感じている」と同氏は分析した。

(翻訳編集・李凌)