釈放後も行動の妨げ 王全璋弁護士、中国当局に国家賠償求める

2021/09/24
更新: 2021/09/24

昨年4月に釈放された人権派弁護士王全璋氏(45)は現在も、中国当局から行動の妨げを受けている。北京公安局は17日、王氏の米大使館行事への出席を阻止した。これに対し、王氏は当局に国家賠償を求めた。

米国の憲法記念日である17日の午前11時頃、北京公安局は、米国大使館で行われるイベントに王氏が参加するのを阻止するため、5台の車両と私服警察官を出動させ、王氏の車を止めて鍵を押収した。

王氏は大紀元の電話インタービューに応じ、「私を含む多くの人が(当局から)自宅軟禁や行動の妨げを受けているので、解決策を見つけなければならない」と訴えた。

「国に賠償を請求することは法的に可能だと思う」と語っている。

申請書では、2020年12月8日に駐中国欧州連合代表部が王氏を世界人権デーの記念式典に招待した際、済南公安局は、参加を阻止するために王氏の行動を妨げていたという事実も記されている。

王氏は北京市公安局と済南市公安局を相手取り訴訟を起こした。

公権力の不法行為責任を追及

王氏は2015年夏に起きた弁護士一斉拘束事件(709事件)の被害者の一人である。2019年1月28日に天津市裁判所から「国家政権転覆罪」で懲役4年半を言い渡された。

尋問中、王氏は拷問を受け、拘束場所が何度も変更され、弁護士や家族との面会も拒否された。約4年間、外界との接触を絶たれていた。初めて家族と面会したのは、2019年6月28日のことだった。

2020年4月5日、王氏は刑期を終えて釈放された。今年7月、王氏は、北京の朝陽地方裁判所に訴状を郵送し、勾留中に自白を引き出すために様々な拷問を受けたとして、事件の再審理と無罪判決への変更、違法な取調べに関与した天津警察官の刑事責任を問うことを求めた。

8月27日、天津高等人民法院が訴状の受理を拒否したことを知った王氏は、天津高等人民法院に再審を求めた。

「私たちは声を上げ、あらゆる手段を使ってこの不当な判決と戦わなければならない。これは、恣意的に悪事を働き、多くの冤罪事件を作り出した公権力に対する反撃でもある」と王氏は大紀元に語った。

(翻訳編集・王君宜)