欧州委、中国の反ダンピング関税迂回を認定 アルミ再輸出で生産国「偽装」

2021/09/21
更新: 2021/09/21

欧州委員会は15日、中国からの家庭用アルミホイルに対する反ダンピング関税を、タイからの同製品にも適用することを決定した。中国生産者が輸出国を偽装して、課税を回避するという迂回行為を突き止めた。タイからの輸入品に対する関税は、2020年12月21日以降に適用され、遡って徴収されるという。

欧州委は反ダンピング関税調査の結果、タイからEUへの輸入が大幅に増加していることを確認。中国企業が、わずかな製造工程をタイで行ない、最終製品をタイから輸出していたという。

欧州委は、不公正な取引方法によって生じた価格優位性を相殺するため、中国の家庭用アルミホイル製品に最大35%の反ダンピング関税を課している。欧州委によれば、アルミ製品は重要な最終財であり、EU加盟国12カ国での市場価値は5億5000万ユーロにのぼる。

欧州委は、課税対象をタイからの輸入品にも拡大したことで、「関税の回避を含むあらゆる形態の不公正取引に対抗する」と声明を発表した。

欧州委は今年2月に「通商戦略」を発表しており、不当な貿易慣行からEUの企業を守り、監視と執行を強めていく方針を固めた。迂回防止措置の強化も取り組みのひとつに含まれている。

(大紀元日本語編集部)