世界金融大手、米JPモルガン・チェース傘下のJPモルガン・アセット・マネジメントは11日、新型コロナウイルスワクチンの有効性に関する分析報告書(原文)を発表した。対象となった18カ国のうち、欧米製ワクチンを使用している国では感染者数が激減したのに対し、中国製ワクチンを使用している国では感染者数が急上昇し、縦軸の最大値を超えた折れ線がグラフからはみ出ていることを明らかにした。
それによると、オランダ、英、スウェーデン、仏、米、カナダ、イタリア、ドイツ、イスラエルでは、米ファイザー社、米モデルナ社、英アストラゼネカ社のワクチンを人口の40%以上に接種した後、新規感染者数(7日間移動平均)が大幅に減少した。イスラエルでは1日あたりの新規感染者数がゼロに近づいている。
一方、セイシェル、ウルグアイ、モルディブ、バーレーン、アルゼンチン、チリ、アラブ首長国連邦、ハンガリー、ナミビアでは、中国の国営シノファーム(医薬集団総公司)製のワクチンを接種した後に感染者数が減少したのはハンガリーのみであり、他の国では接種率の増加に伴い新規感染者数が急増した。特にバーレーン、モルディブ、セイシェルでは感染拡大が深刻化し、右肩上がりの折れ線が縦軸の上限を超えている。
台湾大学病院の施景中医師は12日、フェイスブックで関連グラフのスクリーンショットを投稿し、「ワクチン接種が始まった後、いつ普段の生活に戻れるのか気になっていませんか。(中略)先ほどのニュースでは、チャーター便で米国や中国に行き、ワクチンを接種したいという市民がいると言っていた。まずはこのグラフをご覧ください」と述べた。
中国製ワクチンの安全性に対する懸念が高まる中、世界保健機関(WHO)は、5月に中国シノファーム製ワクチンに緊急使用許可を与えた後、6月1日にもう一つの中国製ワクチン、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発したワクチンを承認した。
WHOの基準では、「緊急使用リスト」に含まれるワクチンは、50%以上の有効性があるとされている。WHOの戦略的諮問委員会(SAGE)は、シノファーム製ワクチンの有効性を78.1%、シノバックのワクチンの有効性を50~84%と評価している。
(翻訳編集・王君宜)
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