台湾衛生福利部長(衛生相)兼中央感染症指揮センター指揮官の陳時中氏はこのほど、中国製の中共ウイルス(新型コロナウイルス)ワクチンへの強い不信感を露わにし、「怖くて使う勇気がない」と公言した。
台湾では最近、新規感染者が拡大している。中国当局は台湾にワクチンを提供する意向を示した。台湾与党・民進党と野党・基進党からは、中国側のワクチン提供は「統一戦線工作の一環だ」と批判する声が上がっている。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、陳時中・指揮官は26日の記者会見で、「ワクチンというのは命を救えるが、ワクチン自体にリスクがある。このため、非常に慎重で厳しい包括的な審査が行われなければならない。中国本土で使われていないワクチンなら、われわれは興味がある。しかし、本土で使われているワクチンであれば、怖くて使えない」と述べた。
台湾メディアによれば、基進党幹部は、中国製ワクチンの有効性は世界中で広く疑問視されていると指摘した。幹部は、東アフリカのセーシェルを例にした。同国の接種率は60%で世界で最も高い。そのうち57%の人が中国製ワクチンを接種した。しかし、人口約10万人のセーシェルでは、今月10日、1799人の新規感染者が確認された。
いっぽう、蔡英文総統は同日、民進党党首として党のオンライン会議に出席した際、中国当局が台湾のワクチン購入を妨害していると明かした。
蔡総統は、「米国のモデルナ(Moderna)社とドイツのビオンテック(BNT)社にワクチンの購買を積極的に打診した。英国製と米国製のワクチンも発注した。しかし、ドイツのBTN社との交渉は、一時契約が完了寸前だったが、中国側の妨害で、契約締結の手続きが延期された」と話した。
総統によると、台湾政府は、中共ウイルスのワクチンを3000万回近く調達できた。海外からの調達分と台湾現地で開発されたワクチンが含まれるという。
(翻訳編集・張哲)
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