オピニオン <オピニオン>

アメリカを変化させる新しい10のルール

2021/04/12
更新: 2021/04/12

最近アメリカで顕著な10のルールを紹介しよう。この国を永遠に変化させるかもしれない、新しくて過激なルールだ。

1. 財政赤字はもはや重要ではない

歴代大統領も毎年莫大な赤字を出してきたが、少なくともお金は本物であり、借金は返済すべきという概念があった。しかし、今は違う。エリートたちは、何もない所からお金を作り出せると考えている。国の借金は30兆ドル近く(年間GDP比110%)に上るが、彼らは借金が大きければ大きいほど、富の再分配に取り組みやすいと信じている。

2. 法律の効力はイデオロギーが決める

バイデン氏は「法が忠実に執行されることを保証する」と宣誓したが、すぐに連邦移民法を無効にした。昨年から各地で暴動が続いているが、暴徒の中には起訴された者もいれば、そうではない者もいる。逮捕、起訴、裁判は全て流動的であり、イデオロギーによって決まる。被害者と加害者の区別は、その犯罪が左派のアジェンダにとって有用かどうかによって決まる。

3. 人種差別を容認する

現在、白人は大学の寮や連邦政府の援助プログラムから排除されている。これは過去の罪に対する暗黙の仕返しであり、「良い人種差別」である。

4. 不法移民は合法的な市民よりも好ましい

現在、ほとんどのアメリカ国民はロックダウン、社会的距離、オンライン授業などの規制に従っている。しかし、不法入国者たちはルールに従う必要はない。彼らの子供たちは検疫を気にすることなく、すぐに学校に通うことができる。不法移民は、不法な入国手段や住居を心配する必要はない。アメリカのエリートにとって、不法移民は「救いがたい」約半数の合法的なアメリカ国民よりも、好ましい存在である。

5. アメリカ人を子ども扱いするべきだ

投票者は身分証明書を提示する必要がない。エリートたちはCOVID-19を言い訳とした「高貴な嘘」をつくが、これは頭の堅い「ネアンデルタール人」を騙すのに必要だ。アメリカ人は、成績や標準化されたテスト、学校での規範的な行動ルールなどのストレスから解放されるべきだ。

6. 偽善は時代遅れ

美徳シグナリング」(美徳をひけらかす事)が今も健在である。気候変動の活動家はプライベート・ジェットで移動する。社会的正義の活動家たちは、ゲーテッド・コミュニティ(外壁に囲われた高級住宅地)に住んでいる。数十億ドルを稼ぐエリートたちが、性差別、人種差別、同性愛嫌悪の犠牲者を装う。重要なのは、自分自身がどう生きるかではなく、他人にどう生きろと言うかである。

7. ホームレスの問題は長引かせるのが望ましい

大勢のホームレスが公道や歩道で生活し、食事をし、排泄をし、薬物を使用することは、手頃な価格の住宅を許可し、精神病患者の入院を義務づけ、十分な公共シェルターを作ることよりも人道的だ。

8. マッカーシズムは良いことだ

誤った考えを持つ人の人生とキャリアを破壊することは、大勢の人生とキャリアを救う。キャンセルカルチャーとツイッターによる恐怖政治は、必要な抑止力だ。アメリカ人は、たった一つの間違った言動で生活の糧を失うことを知っている。そのため、彼らはより慎重に、賢明に行動するようになる。「woke」(社会的正義に敏感)な人々にとって、ソーシャルメディアによるギロチンは、より人道的で科学的な道具だ。

9. 無知は知識よりも望ましい

像を倒すことも、名前を変えることも、「1619年プロジェクト」も、証拠や歴史的知識を必要としない。過去の英雄は単なる構造物である。学士や博士などの学位は、知識ではなく資格を反映しているにすぎない。重要なのはブランドであって、それを作ったものではない。

10. 「woke」(社会的正義への敏感さ)は新しい宗教である

「woke」という宗教が、キリスト教を凌ぐ勢いで広がっている。Woke聖職者の人数はかなり多く、大きな権力を持っている。シリコンバレーが新しいバチカンとなり、アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグル、ツイッターが新しい福音書である。

アメリカ人は内心、新宗教のルールを恐れつつも、公には受け入れているように装っている。これはまだ一過性のもので、反発する人もいるだろう。あるいは、永続するように既に制度化されているのかもしれない。その答えは、アメリカという立憲共和国がこのまま継続するのか、あるいは建国の父たちが想像もしなかったようなものに変わってしまうのかを決定づけるだろう。

(文・Victor Davis Hanson/翻訳編集・郭丹丹)


執筆者:ビクター・デービス・ハンソン(Victor Davis Hanson)

保守派コメンテーター、古典主義者、軍事歴史家。カリフォルニア州立大学古典名誉教授、スタンフォード大学古典・軍事史上級研究員、ヒルズデール大学フェロー。

※寄稿文は執筆者の見解を示すものです。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
関連特集: オピニオン