米上院議員4人はこのほど、米中間の「姉妹都市」友好関係プログラムの厳しい審査を求める法案を提出した。
米NPO団体「国際姉妹都市(Sister Cities International)」の統計では、米国の157の都市が中国各都市と姉妹都市関係を結んでいる。
主要立案者である共和党のマーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)議員は11月17日の記者会見で、中国共産党政権は、文化交流と経済協力の促進を目的にしたこの友好関係を「最新式の政治武器」として利用していると批判した。
議員は「われわれはこれらの友好関係について、はっきりさせるべきだ。でなければ、米国社会は、外国のスパイ活動やイデオロギーに容易に脅かされてしまう」と述べた。
この法案は「姉妹都市透明化法(Sister City Transparency Act)」と呼ばれる。法案は米政府説明責任局(Government Accountability Office)の責任者に、外国姉妹都市の米国内での活動を調査し、スパイ活動および経済上の潜在的なリスクを評価するよう要求する。
立案者の1人であるジョシュ・ホーリー議員も同記者会見で、「中国共産党は可能な限り影響力を拡大しようと考えている」「中国側は友好関係を利用して、虚言を広め、アイデアを盗み、情報を収集している」と批判した。
マルコ・ルビオ議員も法案の共同提出者だ。
今年2月、ポンペオ国務長官は、全米知事協会の会議で、中国当局が姉妹都市関係を利用していることについて警鐘を鳴らした。長官は、中国共産党の高官らは、米国各地の友好関係プログラムを通じて、「米各地で学校の取締役会のメンバーや政治家を抱き込もうとしている」と示した。
過去数十年、中国当局は「姉妹都市」の締結を介して、共産主義イデオロギーを広める機関「孔子学院」を世界各国に設立した。
2007年1月、中国官製メディア・新華社通信の記事は孔子学院について中国の「ソフトパワー」だと表現した。
中国教育部(省)は「2012-20年グローバル孔子学院発展計画」を発表した際、今後各国で孔子学院を設立するための1つの仕組みとして、「姉妹都市」の親善関係を使ったほうがいいと提案した。
米国務省は今年8月、孔子学院を外国使節団に指定した。
全米学識者協会(National Association of Scholars,NAS)によれば、9月7日時点、米国内の孔子学院は67校。他の54校はすでに閉鎖された、または閉鎖中だという。
中国当局は、外国の都市と「姉妹都市」を結ぶ際、当局の政治的な要求を相手の政府に強いる。
昨年、チェコのプラハ市は、姉妹都市協定にある、台湾を中国領土の一部だと主張する「一つの中国」原則の条項を疑問視し、同条項を削除するよう中国側に打診した。しかし、中国当局が協議を拒否したため、プラハ市政府は北京市との姉妹都市関係の解消を決定した。今年1月、プラハ市は台湾の台北市と姉妹都市協定を締結した。
(記者・EVA FU、翻訳編集・張哲)
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