中国、極超音速ミサイルを実戦配備、台湾や米空母打撃群などを狙う

2020/10/19
更新: 2020/10/19

中国当局は台湾などに対する軍事的な威嚇をますます強めている。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は10月18日、中国当局の情報筋の話として、中国軍は、台湾を目標として、最新の極超音速滑空ミサイル「東風17(DF-17)」を実戦配備したと伝えた。

中国電子商取引最大手、アリババ集団傘下にあるSCMPは、中国軍が数十年間、東南部沿岸部に配備していた短距離弾道ミサイル、東風11と東風15の代替として、東風17を実戦配備したと報じた。

東風17の最大射程は2500キロメートル。昨年10月1日、中国共産党政権樹立70周年の記念軍事パレードで初めて公開された。

カナダの軍事情報雑誌「漢和防務評論(Kanwa Defence Review)」の創設者で軍事評論家の平可夫氏は、SCMPの取材に対して、「衛星写真で、福建省と広東省に駐留する中国軍のロケット部隊と海軍陸戦隊の基地が近年拡大し続けていることがわかった。中国軍の東、南部戦区のミサイル基地は2倍以上拡大している」と述べた。

また、平氏は、台湾をターゲットにしている広東省普寧市のミサイル基地に、「新型弾道ミサイルが配備された」としたが、ミサイルについての詳細は明かさなかった。同氏によると、従来の東風11と東風15は台湾中部の山脈を超えることができず、台湾東部の国軍の軍施設に届かなかった。

同氏は、この動きは中国軍が現在、台湾侵攻の準備を急いでいることを反映したと示した。

台湾国防部(国務省)は同日、国軍と情報部門が協力し、中国軍の動きを「十分に掌握し、適切に対処していく」と表明した。

台湾メディア「中央社」によれば、台湾国防安全研究院国防戦略および産業研究所の蘇紫雲・所長は、中距離ミサイルである東風17が単に台湾侵攻に使われるのは「もったいない」とした。同氏は、中国当局が東風17を配備した真の狙いは米軍の基地や空母打撃群だとの見方を示した。

一方、立法院(国会)の王定宇・立法委員(議員、民進党)は、台湾や日本米軍基地が東風17の射程圏内にあることに関して、中国当局のさらなる挑発行為に「日米豪印などの周辺国は容認できないだろう」と大紀元に語った。

(翻訳編集・張哲)