豪議員、中国領事館の閉鎖を求める、中国スパイによる軍艦情報窃盗を懸念

2020/08/19
更新: 2020/08/19

南オーストラリア州の上院議員は、外国スパイが同国の海軍造船計画に「極度の脅威」を与えるとして、重要な海軍プロジェクトの近くにある同州のアデレード中国領事館の閉鎖を求めた。

ザ・アドバタイザー(The Advertiser)の報道によると、オーストラリア国防省は、「非常に活動的な外国スパイ」が海軍の造船プロジェクトの情報を求めていると懸念を表明した後、同州の無所属上院議員レックス・パトリック(Rex Patrick)氏は、「閉鎖が必要だ」と述べた。

同議員はまた「アデレードの中国領事館が、わが国の主要な海軍建設プロジェクトや、国防科学技術機構(DST)の近くに位置することは、本国の国家安全保障上の利益にはならない」と説明した。

アデレード近郊にある海軍造船所では、今後20年間で54隻もの艦艇を建造する予定。

「同領事館ほどの大規模な外交機関を持つ国はない。イタリアとギリシャには1~2人しかいないのに対し、同領事館には10人ほどいる」

中国政府は2016年、アデレードに領事館を開設し、その後、規模をどんどん拡張して5600平方メートルもの広大な敷地に巨大な4つの建物を建設した。中国側は業務執行に必要なオフィスと宿泊施設だと説明しているが、その過剰な規模に疑念が上がっている。

「特に最近の米国の中国領事部がスパイ活動に従事しているとの報告もあるように、国防安全への影響は重大な懸念事項である」とパトリック議員は述べた。

自由党のアレックス・アンチック(Alex Antic)上院議員も、領事館の業務の観点から同領事館の職員の数は「過剰に思える」とし、「中国当局はデリケートな問題について戦狼外交を採用している。しかし、わが国の『造船プロジェクトの安全性の確保』は中国を怒らせるリスクよりも、優先されなければならない」と述べた。

戦狼外交とは、好戦的で過激的な外交手法を意味する。中国への批判に強い言葉で反論したり、服従しない国に経済制裁を下したりする強硬外交を展開する。

同州労働党議員ニック・チャンピオン(Nick Champion)氏は、「アデレードに中国領事館を置くのは問題ではないが、しかし、小さな町にとって、この領事館は大きすぎる」とし、「人数の削減について」交渉することを提案した。

パトリック氏はまた、同州政府に対し、「中国との関係を再検討するよう」呼びかけ、「同州は『北京に迎合する』という点では、ビクトリア州には負けてない」と述べた。

ビクトリア州は2018年、一帯一路に参加するなど同国の中でも、もっとも親中的な立場をとっている州と見なされている。

(大紀元日本ウェブ編集部)