中国南部の雲南省政府は8月4日、ラオスから飛来したバッタ「黄脊竹蝗(黄色角竹バッタ)」による農作物の被害が拡大していると警戒を呼び掛けた。バッタの群れは省都の昆明市に近づいているという。
省政府は同日、省林業・草原局の情報を引用し、8月2日まで省内の普洱市、シーサンパンナ・タイ族自治州、紅河ハニ族イ族自治州を含む4州・市と9県47村で、バッタが発生したと公表した。各地では、竹やバショウ、トウモロコシ畑が食い尽くされた。被害面積は15万5834畝(約1万389ヘクタール)。
8月は「黄色角竹バッタ」の繁殖期であるため、農作物への被害が拡大しそうだ。
今回のバッタは6月末にラオスから飛来した。雲南省の地元紙によると、7月15日、省内元江県で初めてバッタの大群が観測された。21日時点では、普洱市など3州・市と7県の13万3809畝の農地が被害を受けた。さらに、28日になると、被害面積が14万3400畝に拡大。
一部の中国メディアは8月3日、現在バッタ被害を受けている雲南省玉渓市から昆明市までの距離はわずか100キロ余りだと報道した。
中国人ネットユーザーが海外ツイッターに、雲南省のバッタの巨大群が映った写真や映像を投稿し、被害状況が政府公表より深刻だと訴えた。
中国農業農村部(省)はこのほど、外来種バッタの侵入が「常態化になる」と強調した。しかし、中国各地では、異常気象により在来種バッタも大量に発生している。
今年6月、広西チワン族自治区にある全州県では、在来種バッタの密度が1平方メートル当たりで、最多180匹となった。同月、湖南省寧遠県では、在来種の「越北腹露蝗」の群れが見つかり、密度は1平方メートル当たり100匹以上だった。東北部の黒龍江省と吉林省でもバッタ被害が確認されている。
(翻訳編集・張哲)
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