[ワシントン 28日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)は28日、通商政策に関する年次報告書を議会に提出した。今後1年間の課題として、英国、欧州連合(EU)およびケニアとの新たな貿易協定締結に注力するほか、貿易関連法の厳格な執行、世界貿易機関(WTO)の改革を目指す方針を表明した。
338ページに及ぶ年次報告書の中でUSTRは、WTOの加盟国は、もはや経済の現実を反映していない「時代遅れの関税の枠組み」について根本的に考え直す必要があると指摘した。
WTO自体を「本来の使命や目的から大きく逸脱した」組織だと批判する一方、トランプ政権が過去1年間に中国の不公正な貿易政策・慣行に立ち向かってきたと強調した。
2019年はトランプ政権が中国および日本と貿易協定を結び、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が議会の承認を得るなど、「米国の貿易にとって歴史的な年」だったと成果を誇示した。
また、EUが航空機大手エアバス<AIR.PA>に補助金を拠出しているのは不当だとして米国が75億ドル相当のEUからの輸入品に報復関税を発動することをWTOが承認したことを歓迎した。
「トランプ大統領は今後も、米国と貿易相手国との関係のバランスを取り戻し、われわれの貿易関連法を積極的に執行していく」との方針を示した。
日本や中国とはさらに通商協議を行い、より包括的な貿易協定の締結を目指すとともに、WTOの改革を推進していくことにも意欲を示した。
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