フロリダ州の研究者、中国「千人計画」に参加 申告せず 州議会が調査

2020/01/24
更新: 2020/01/24

フロリダ州下院議会の委員会は1月21日、フロリダ大学の教授3人と中国研究機関との関係について議論した。

フロリダ下院議会は、州内の研究機関とその研究活動の国際関係の調査を行った。その結果、教授職の3人が、中国の大学や研究機関と繋がりを持っていた。そのうち1人は、中国から科学研究資金を受けとっていた。しかし、教授らは、このことをフロリダ大学および資金提供をしていた米国国立衛生研究所(NIH)に知らせていなかった。

フロリダ大学は「国際的な研究協力を重視し、奨励している」と主張している。しかし、米国の研究者と大学には、当局と米国の資金提供組織に外国関係の活動を完全開示することが求められている。

中国共産党組織委員会は2008年、海外からハイレベルの研究者をリクルートするプログラム「千人計画」を始めた。研究者は厚遇で迎え入れられる代わりに、海外の研究および技術開発の成果を、中国政府機関に知的財産として移転するよう求められる。中国には千人計画のほかにも、複数の高度人材招へいプログラムがある。

フロリダ州の3人の教授のうち1人は、中国の千人計画に選ばれている。また、3人は中国研究機関に肩書がある。

地元紙「ザ・ゲインズビル・サン(The Gainesville Sun)」によると、フロリダ州議会エリン・グラール(Erin Grall)議員は、外国での活動を明らかにしていない教職者を雇うことは、安全保障上の重大なリスクを生むと指摘した。

米国立衛生研究所、国立科学財団、およびエネルギー省科学局の研究者たちも、千人計画に参加していた。研究者たちは、所属先にそのことを通知していなかった。

2019年12月、国立衛生研究所の傘下機関でフロリダ州拠点のモフィットがんセンター(Moffitt Cancer Center)は、中国の研究機関に所属していた6人の従業員を解雇した。同センターは、最高経営責任者(CEO)とセンター長も辞任させた。

米フロリダ州選出のリック・スコット(Rick Scott)上院議員(共和党)は1月14日、同州公立大学の学長に書簡を送り、研究者の「千人計画」参加の有無を調査したかどうか、また外国の機関と不正な情報を共有したかどうか、調査結果を開示するよう求めた。

(翻訳編集・佐渡道世)