中国各地で広がる豚コレラの影響で、豚肉の価格は2倍にまで跳ね上がった。豚肉は今、希少価値の高いものとなった。貴州のある小学校では、成績優秀な生徒に与える奨学金の代わりに、豚肉を贈呈したという。
中国国内メディアによると、貴州の畢節市(ヒッセツシ)にある私立・翰林(カンリン)小学校は、生徒を激励するために、このほど、市場で7頭分(約3トン、約5万元)もの豚肉を購入し、90人以上の成績優秀者に与えた。成績がトップ3の生徒にそれぞれ15キロと10キロの豚肉、そして豚足が贈られた。
前年度までは、1位は300元、2位は200元、3位には100元の現金を贈っていた。学校によれば、多くの親が奨学金の代わりの豚肉を喜んでいる。
さらに、中小規模の銀行では、預金を増やすキャンペーンとして「豚肉プレゼント」を開始した。貴州省の獨山農村商業銀行は、1万元の預金をすれば、1キロの豚肉が贈られるという。預入金額次第で豚肉が当たる宝くじも加わり、銀行はこれで1億元以上の定期預金の獲得に成功したという。
高騰した豚肉は「富の象徴」にとなった。ある男が大きな豚バラ肉を首にかけ、「富を誇示するための新しい方法は、豚肉を買えるほどお金を稼いでいるとPRすることだ」と冗談を書いた。一部のネットユーザーは、フランスの高級ブランド・クリスチャンディオールの箱に、大きな豚肉を入れて、女性にプレゼントしたという。
また、ブタの窃盗を心配する女性が農作業をしながら背中に大きなブタを縛り付けている動画が話題となった。
1月9日、中国統計局は2019年12月の全国CPI(消費者物価指数)を発表した。12月は前年比4.5%上昇し、そのうち食品価格は17.4ポイント上昇した。食品では、畜産肉の価格が66.4ポイント上昇し、CPIの上昇に約2.94ポイント影響した。豚肉の価格は97.0ポイント上昇し、CPIの上昇に約2.34ポイント影響した。
(翻訳編集・佐渡道世)