香港民主活動家、男に赤いペンキ掛けられる 台湾の親中共政党の嫌がらせ

2019/09/30
更新: 2019/09/30

香港市民による反中国共産党政府デモが3カ月以上続くなか、台湾では9月29日、各地で香港市民を支持するデモが開催された。民主活動家で歌手の何韻詩(Denis Ho)さんは、デモ行進に参加したのち、台北でメディアの囲み取材に応対中、何者かにより赤いペンキを掛けられた。香港の成功大学・梁文韜教授は、民主主義の台湾の中で、民主主義を破壊しようとする悪行だと批判した。

警察の調べによると、何韻詩さんを襲った男は、梁太富、胡志偉。胡は、親中共派の台湾政党・中華統一促進党の幹部。陳家欽・警察署長は2人を逮捕し、組織犯罪捜査を指示した。同党は、胡の行為は「個人的な判断」に基づくもので、党は処分しないとした。

暴力を振るわれたにもかかわらず、何韻詩さんは「香港人はこのような状況に直面しても、おじけづいたり、恐れたりしない」とSNSにコメントした。29日夜、何さんは香港へ帰った。「香港の街も危険な状態が続いている。皆さん気を付けて欲しい」と書いた。「もし今日立ち上がらずにいたら…、もし気づいたときには、あなたは立ち上がる権利も自由もないことに気がつく」と自由への侵害を嘆いた。

台湾メディア「今日新聞」29日付によると、中華統一促進党は、党員が検挙されたことに対して緊急声明を発表した。「すべては胡志偉の個人的な行為」とした。胡と共同で犯行した梁は、同党の外郭団体のメンバーであるという。

成功大学の梁文韜教授は、9月に香港では50件あまりの不自然死の事例があり、香港人は恐怖を感じていると述べた。中国共産党は10月1日、中華人民共和国建国70年を迎えるにあたり、監視をこれまで以上に強化している。北京では公衆トイレの利用に生体による身元確認が必須となり、夜はシャッターを下ろさなければならない。「人民は監獄にいるように生きている。このような体制で、なぜ台湾人は統一しなければならないのか」と語気を強めた。

台湾師範大学の政治学研究所・范世平氏はSNSで、マスメディアを前にした中華統一促進党による露骨ないやがらせを批判した。民主主義の精神に違反する中華統一促進党の行動は、台湾人のプライドを損なわせ、憤らせると語った。

中華統一促進党の幹部は以前も、海外組織に赤いペンキをかけていた。党主任委員・陳清峰は2018年3月、日本の駐台湾窓口機関の事務所の石碑に、赤いペンキを大量にかけた。台湾の中時電子報によると、陳は日本の水産庁の取締船が違法操業していた台湾漁船に停船命令や放水を行ったことに憤慨しており、ペンキ散布は日本側の行動への抗議だという。

29日、香港では再び大規模なデモがあり、警察が放水砲やゴム弾、催涙ガスで制圧した。10月1日までにさらなる抗議活動が予定されている。香港政府によると、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は30日、中国建国70周年の行事に参加するため、北京に出発した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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