香港市民、国際紙広告キャンペーンで8900万円調達、大阪G20に向け条例撤廃主張

2019/06/27
更新: 2019/06/27

中国本土への犯罪者引き渡し条約「逃亡犯条例」改正案に反対する香港市民は、複数の国際主要新聞に一面の新聞広告を掲載し、G20の各国首脳に香港の自由の危機に対処するよう呼びかける。

香港市民は、広くインターネットで募金を呼び掛けるクラウドファンディング・キャンペーンを25日に開始。目標とした300万香港ドルを数時間で達成。26日の打ち切りまでに648万香港ドル(約8900万円)を調達し、2万2000人が寄付した。

キャンペーンの主催者「FreedomHK」は、日本の大阪で6月28日に開催されるG20サミットに先立ち、英紙フィナンシャル・タイムズ27日付、カナダ紙グローブ・アンド・メール27日付、米紙ニューヨーク・タイムズ28日付で、それぞれ逃亡犯条例撤廃を求める一面広告の掲載予約をしているという。ほかにも主催者は日本、イギリス、フランス、ドイツの新聞にも同様の一面広告の掲載を目指している。

この広告は、大阪G20サミット開催に先立ち、国際社会が中国共産党政権と香港行政長官に対して圧力をかけるよう訴えている。「私たちは今、あなたの支援が必要です。私たちの声をあなたの政府や大使館へ届けてください。今回のG20サミットとその将来において、私たちは自由を保護したいのです。あなたが今動けば、私たちは救われます」

逃亡犯条例の改正案は今年2月に香港議会で提出された。同案は香港で拘束した容疑者を中国本土に引き渡すことを許可している。

香港市民は、人権保護が欠如している共産党政権下の本土へ引き渡されることを自由と民主の危機と捉えて、大規模な批判と抗議活動を展開している。

主催者によると、新聞の広告枠購入以外の資金が集まった場合、6月21日の200万人デモ行進で負傷した人々の医療支援をするための資金に充てるという。

26日、香港立法府(議会)のある建物周辺に1万人超の若者が集合して、同条例の撤廃を求めている。

G20に合わせて香港で1万人が集会を行い、香港の逃亡犯条例改正問題に注目するよう呼びかけた(民陣提供/DARIUS CHAN HO SHUN)
6月26日夜、香港で集会に参加する市民は携帯電話のライトを付けた(李逸/大紀元)
6月26日の香港デモに参加する中学生ら(蔡雯文/大紀元)

香港市民は、台湾、米国、日本、英国などでも、各国大使館や領事館へ請願書を届けたり、門前のデモンストレーションを行っている。

(編集・佐渡道世)