香港当局、台湾法輪功学習者70人を水際送還 蔡総統が非難

2019/04/30
更新: 2019/04/30

台湾の行政院大陸委員会(陸委会)は27日、香港入境管理局が4月26日と27日の両日、台湾の法輪功学習者約70人の入境を認めず強制送還したことに対して、香港政府に厳重に抗議した。賴清徳・前行政院長(首相相当)は、香港で法輪功学習者の言論自由は守られるべきだと発言した。新唐人テレビが29日報じた。

28日、香港で中国当局による法輪功への弾圧の中止を求める集会やデモ進行が開催され、台湾や日本からの法輪功学習者も参加した。しかし、香港入国管理局は、26日に台湾法輪功学習者33人と日本国籍の法輪功学習者1人を、27日に台湾法輪功学習者35人をそれぞれ強制送還した。

台湾陸委会の邱垂正報道官は27日の記者会見で、台湾市民が香港で乱暴な扱いを受けたとして、香港政府に厳重抗議を申し入れたと述べた。同氏は、言論自由と信仰自由への弾圧によって、香港のイメージが低下していると指摘した。

蔡英文総統も29日、香港政府の対応を非難した。総統は「一連の出来事によって、1国2制度は香港市民にとって受け入れられない制度であることを改めて浮き彫りにした」とし、「われわれは1国2制度、あるいは1国1制度を絶対に受け入れない」と強調した。

賴清徳・前行政院長は、「1国2制度の下で、香港は民主主義から遠ざかっており、言論弾圧が盛んに行われている」と指摘した。

香港の法輪功学習者は長年、市民に国内の迫害実態を伝えようとさまざまな活動を展開している。しかし、親中国共産党の団体は法輪功学習者の活動を妨害している。

賴清徳氏は、「法輪功学習者らが香港で言論自由を行使しても、さまざまな圧力に直面している。したがって、国際社会の一員であるわれわれは、香港の言論自由と法輪功学習者を支持しなければならない。国際社会は一致団結し、この普遍的な価値観を守り抜かなければならない」と話した。

香港当局は、台湾政府からの抗議に対して返答していない。

台湾法輪大法学会の張錦華・理事長は、台湾法輪功学習者の強制送還は言論自由や人権の侵害に当たると非難した。

「香港政府は今、中国当局の支配下にある。香港市民にとって不幸なことだ。台湾にいるわれわれは、中国当局が約束したことや、合意した協議は信用できないと再認識すべきだ。中国当局と付き合わない方が良さそうだ」

28日、香港で中国本土に犯罪容疑者の引き渡しを可能にする条例改正案に反対する大規模な抗議デモも行われた。約13万人の市民が参加したと主催側が発表した。

(翻訳編集・張哲)