川面に魚の死骸の帯 中国企業の石油採掘が原因か=カザフスタン

2019/04/10
更新: 2019/04/10

「汚い河に浮かぶおびただしい量の魚の死骸が浮かんでいた」Nursultan Taumanさんは、ウラル川のほとりを散歩した時に見た光景に衝撃を受けた。

カザフスタン西部アティラウ州を流れ、カスピ海につながるウラル川。現地メディア・Tengriニュースの報道によると、2018年12月以降、ウラル川の岸辺には120トンもの魚の死骸が漂着している。近くにある中国の石油企業と鉱業企業が原因だという。

Tengriニュースは、一帯一路の重要地域であるカザフスタンだが、このたびのウラル川の魚の大量死は「氷山の一角」であり、中国投資による生態系への打撃は広範囲に及ぶと報じた。

Nursultan Taumanさんは、河の汚れは、上流で石油の採掘がひんぱんに行われていることが原因とみている。「ウラル川は赤魚が採れることで有名だが、多くは死に絶えつつある」と、Taumanさんはユーロアジア・ニュースに語った。

中央アジアのカザフスタンには、中国共産党政権が欧州へと広げる経済圏構想・一帯一路の中継点として、大規模な投資を行っている。いっぽう、カザフスタン社会では、中国資本の浸透に不満が募っている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Этот не убранный участок что на острове был за рыбными коперативами. За предложение запрета ловли они готовы отрубить голову люьому . Руководствуясь меркантильными интересами не убрали даже противоположный берег Дамбы. Хоть на той неделе там проплывали я и вся комиссия. Там же наглядно брали на анализ гигантских сомов. Нереста икры не произошло. Это значит в этом году мальков не будеь. Рыбный фонд исчерпан. Добивать оставшиеся, уцелевшие приступление. Как говорил ветеран рыбной промышленности Бостан Шамишевич лов надо прекратить на 3-5 лет.

Хайруллин Арманさん(@armankhairullin)がシェアした投稿 –

カザフスタン世論は、中国企業がカザフスタンの土地、鉱物、石油、天然資源に投資して「搾取」しており、カザフスタン政府もまたこれに同調していると非難している。自然の搾取は、生態系に対する被害を甚大にしているとの批判の声も上がっている。

非政府メディア「カザフスタンの声」4月8日は、同国西部アティラウ州を流れるウラル川に、突然、大量の魚の死骸が浮かぶ様子を報じた。住民が撮影した当時の川の様子には、死んだ魚で水面が白一色になっていることが分かる。

アティラウ州環境保護組織代表でジャーナリストのAriman khairullinさんは、川岸にはさらに大量の死んだ貝の殻も打ち上げられているとSNSで動画付きで伝えた。

その原因について推論は二分している。一つは、冬季に凍った川の中で死んだ魚たちが、春になり氷が解けて川辺に漂着するという現象だ。しかし、khairullinさんは「この冬は川の氷も厚くなかったし、雪も少ない。これは人的災害だ」として、水の汚染がもたらした現象とみている。

Tengriニュースは現地住民の話として、生態系への被害は、この地域に投資し採掘調査や炭鉱開発を行う中国の会社によるものだと伝えた。アラティウ政府当局は、これをもみ消そうとしていると怒りをあらわにした。

現地の林業局と動物監察局は、ウラル川の水サンプルと死んだ貝殻を採集し、調査しているという。

カザフスタン国際通信社によれば、3月13日、中国資本によるカラマカスのガス田開発地区で、毒性物質の流出事故が起き、25日には大規模な火災事故となった。中国側は、流出事故を隠蔽してきたという。流れ出た毒性物質と3日間続いた油田火災は、生態環境に深刻な破壊をもたらしたと報じた。

このほか、一部のカザフスタン地区では2019年の冬、大気中の粉塵などを巻き込んだ黒い雪が降っていると報道された。相次ぐ生態環境の破壊は、社会の高い関心を集めている。

カザフスタンの社会活動家ハミド・ジャノフ氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に答えた。「黒い雪が降り、もう子どもたちはスキーで遊べない。政府高官は私たちの心から程遠く離れている。生態環境は高官の生活には悪影響を及ぼさないが、もし住民が死んでしまったら、誰が働くというのか」

ロシアのメディア・ニュース前線4月8日によれば、「カザフスタン社会主義運動」という組織は、ネット上の呼び掛けで「政府は事実を隠蔽し国民の抗議をふさごうとしているが、中国企業はカザフスタンの天然資源を略奪して、地域社会に生態系の危機をもたらしている」と主張した。

同組織の声明によれば、中国側から51の高濃度汚染工場をカザフスタンに移転する計画がある。組織はこの計画中止のための運動を展開しており、中国資本の建物や労働者向け住宅建設の停止を呼びかけている。

「鉱業を国有化するために、カスピ海とカザフスタン西部の土地から、中国企業を追い出す必要がある。土地、石油、天然ガス、すべての天然資源は、カザフの人々のものでなければならない。その利益は億万長者の手元ではなく、数百万の人々の手に渡らなければならない」と声明には書かれている。

カザフスタンのメディアによると、多くの社会団体が抗議集会やストライキなど、計画停止に向けた運動を計画している。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: 大気汚染