最近、産経新聞の独占インタビューを受けた台湾外交部長(外相)は、中国共産党政府による軍事的圧力に対抗するため、日本政府に対して、台湾との安全保障対話構想を提言した。これについて在日中国大使館は、台湾独立を主張するものとして「強く反対する」と産経新聞に申し入れを行った。台湾外交部は「報道の自由に違反している」と応酬した。
6月26日までに、産経新聞の独占インタビューを受け入れた台湾の呉ショウ燮外相は、中国共産党の軍事的圧力は日本の脅威でもあると述べ、台湾と共同した安全保障対話構想について語った。
報道によると、呉外相は、外交関係のない米国とは安全保障において緊密な協力関係があるとし、同様に日本でも、安全保障対話は外交関係を前提条件にするべきではないと述べた。また、非公開の対話ルートの設立も可能だとした。
立法府(国会に相当)からも、呉外相の案に支持を示す声が上がっている。大紀元の取材に答えた外交国防委員会の邱志偉議員は、「日台は緊密に連携するべきだ」と述べた。国防委員会・何欣純議員は「呉外相の提案は、日本や米国にとっても友好的なメッセージである。将来的には、米国の台湾旅行法の日本版の制定が期待される」と述べた。
中国共産党政府、日本メディアのインタビューに強く反発
このインタビューについて、中国当局は反発している。産経新聞27日付によると、在日中国大使館は、報道内容に強く反対すると同社に申し入れを行った。
報道によると、同社中国総局設立時に結んだ合意である、「一つの中国」原則と日中共同声明などの精神に沿った報道に違反していると指摘。さらに、「中日関係が正常化に向かうなか、両国国民の相互理解に資する報道を求める」と述べたという。
外交部の李憲章報道官は28日の定期記者会見で、中国当局による日本メディアに対する行動は、「全く容認できない」と述べ、民主主義国の報道の自由を深刻に妨害し、報道の独立と自由という慣例に背いていると指摘した。
「専制国家(中国共産党政府を指す)は国内の報道の自由と言論の自由を容認しないだけでなく、日本と台湾の2つの民主主義国の報道にも干渉しようとしている」と李報道官は述べ、「一つの中国」原則をメディアにも押し付けていると述べた。
李報道官は、中国共産党政府は「自由と民主の普遍的な価値をひどく脅かしている」とし、この影響力が拡大することを阻止するために、台湾と理念を共有できる国は結束するべきだと強調した。
(編集・佐渡道世)