共産主義の終焉 女性の社会進出

座間9人殺害事件で再認識 家庭の大切さ

2017/11/25
更新: 2017/11/25

若い男女9人が犠牲となった座間連続殺人事件は世間に大きな衝撃を与えた。被害者は高校生3人が含まれ、いずれもツイッターで自殺願望の意志を示していたことがきっかけで事件に巻き込まれた。悩みを抱えている若者を狙った卑劣な犯行には言語道断だが、「死」を考える若者はこれほど多くいることに驚かされた。

座間事件についた、あるYahoo!ニュースのコメントは興味深い。(原文ママを引用)

「自殺したいとか言うきっかけってきっと人それぞれ違うと思うから、願望自体をなくすのは難しいんだろうな。当たり前な話なんだけどまずは親が目を背けないでしっかり向き合ってあげるところからなのかと思う。今は女性進出を推しているから帰宅しても母親に話ができない子とかいるんじゃないかなと思う。

昔と今は全然違うし古い考えなんだけど帰宅して『ただいま!』『おかえり!着替えてご飯にするよー』と母親が温かいご飯を作ってくれていて食べながら近況を話したりしていた。向き合ってたからこそ異変にもすぐ気づいてくれた。個人的な意見で反対も多いかもだけど大切な事だと大人になって良くわかった」。

白石容疑者は「話を聞いてほしいと(被害者らが)言っていた。本当に死にたいと考えている人はいなかった」と供述した。

生きづらさを感じた若者の気持ちを受け止めてくれる人がいれば、悲劇は防げたかもしれない。しかし、今、この役割を担う人は親ではなく、ネットにいる見ず知らずの他人。この現状を作り出したのは、女性の社会進出が一因にあると、この読者は指摘した。

少子高齢化が進み、働き手が不足している今、安倍政権は「一億人総活躍」の目標を掲げ、女性のさらなる社会進出を促している。子供は朝早く保育園に預けられ、女性は職場で男性と同等の責任を負い仕事している。時間に追われる女性は、子供の気持ちをしっかり受け止める余裕がなくなっていく。

「早くして!」は子育て中の母親の口癖となり、子供に静かにしてほしい時はスマホやiPadの活用を勧める声もある。親子が共有する時間はどんどん短くなっている。親と子の分断、それはまさにフェミニズムを提唱した共産主義者の狙いだった。

今持てはやされているフェミニズムの根源は共産主義にある。階級闘争は中国などの国以外に普及できなかったが、フェミニズムは形の変えた共産主義の考え方として現在、市民権を得ている。

参考記事:ソ連の「フリー・ラブ」実験の失敗(1) ソ連の「フリー・ラブ」実験の失敗(2)

家庭を支える母親に「抑制された女性」とのイメージを植え付けたものとは?

 

マルクスは「共産党宣言」で「ブルジョアと家族は資本主義の消滅と共に消滅す」と家族の消滅を唱えた。共産主義者は「家族制度の解体は国家の弱体化ひいては国家の解体へと連なり、共産主義社会を到来せしめる」と主張した。

しかし実際にこれを実践したレーニンが家族解体法を作り、「家事や労働の男女共同化」「性の自由」などを導入した結果、離婚や堕胎の激増、少年犯罪激増、出生率激減を招き、1936年にスターリンも「このままではソ連が崩壊してしまう」と考えて全面的に撤回するに至った。

元航空幕僚長・田母神俊雄氏は「女性が働けば家庭教育が困難になり公教育に頼る、そうなれば子供たちの洗脳教育がやり易い」とTwitterで発言していた。

家庭教育ほど子供の人格形成に寄与する教育はない。いくら良質な学校教育を受けられても家庭教育の代わりになるものはない。共産主義者は母性や家庭を邪魔者として扱っており、家庭を支える母親に「抑制された女性」とのイメージを植え付けた。女性を家庭から追い出すよう仕向けたのだ。

しかし、女性の社会進出のしわ寄せは子どもに来ている。親の愛情不足で非行に走る子、自己肯定感を持てない子…女性の社会進出は家庭の崩壊につながりかねない、この危機は現実となりつつある。

「家」に「女」がいれば、「安」らぎの場所となる。古く伝えられる文化に先人の英知が潜んでいる。伝統的な家族概念が破壊された今、人々は安らぎの場を失いつつある。そして、共産主義者はほくそ笑んでいる。

(文・李沐恩)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。