[上海 24日 ロイター] – 中国共産党大会が24日承認した党規約の改正案には、習近平総書記(国家主席)の巨大経済圏構想「一帯一路」の推進が盛り込まれ、驚きを誘った。同構想の政治的重要性はさらに増し、成功に向けて背水の陣が敷かれた形だ。
一帯一路の文言挿入は、習氏の権力基盤が拡大したことのさらなる証左であると同時に、自身の任期後も構想を受け継いでいきたいという野心の表れでもある。
アナリストによると、共産党が外交政策への関心を強めていることが示されたほか、中国を世界の指導的立場に押し上げたいという習氏の熱望度合いも浮き彫りになった。
シドニーのシンクタンク、ロウイー・インスティテュートのフェロー、ピーター・カイ氏は、「一帯一路が習氏にとって極めて重要なのは周知の事実だ」とした上で、「しかし主要な政策、それも対外関係を伴う政策を党規約に盛り込むことは、少なくとも近年の記憶では相当重いことだ」と話す。
党の最高規則である党規約への挿入を「もろ刃の剣」と見るアナリストもいる。一帯一路は未だに定義が曖昧で解釈の余地が大きい構想であるにもかかわらず、失敗は許されなくなったからだ。
シカゴ大学のダリ・ヤン教授は「(構想の)認知度をさらに上げたことによる危険性は、費用と便益を慎重に考慮するのではなく、政治的な動機で行われる取り組みが増えることだ」と指摘した。
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