「釜山と中国のために…」中国大使館が芸術公演を妨害 見える中国共産党の本質

2017/01/18
更新: 2017/01/18

駐韓中国大使館の脅迫により、韓国で開演予定の文化芸術の公演が突如、中止となった。背後には、中国領事館からの圧力があったとみられている。

今回、開演を妨害された、世界巡回ツアーを展開する「神韻芸術団」の公演について、中国大使館は世界各地でたびたび、妨害をしている。今回は公演会場が中国大使館の要求を断っただけでなく、その劣悪な手法が暴露され、中国共産党の醜悪な一面を世間に晒すことになった。

伝統文化の復興を畏れる中国共産党

神韻公演を主催した公演企画会社「釜山文化」は神韻芸術団を韓国に招致し、2月10日から12日にかけて釜山文化会館の大劇場で公演を開く契約を劇場側と結んだ。しかし1月4日、釜山文化会館は釜山駐在中国領事館から「中韓関係の健康な発展、釜山と中国の友好協力のために、神韻公演団に会場を提供しないように」と記された一通の文書を受け取った。

釜山駐在中国領事館が釜山文化会館に送った公文書
(大紀元)

神韻芸術団は華人芸術家たちを中心に、中国共産党が主導してきた「文化大革命」をはじめとする政治運動により徹底的に破壊された中華五千年の伝統文化の復興を目指して、アメリカ・ニューヨークで設立された非営利芸術団体。

神韻は中国五千年の歴史で生み出された様々な神話や伝説、歴史物語などを中国古典舞踊と音楽の形式を用いて舞台上で表現し、天をあがめ尊び自然に従って人間の道徳性を強調する中国古来の価値観を世界に発信している。

パク・フンジュ釜山文化代表は「今まで神韻公演を何回もみて感動し、公演企画者として釜山に芸術団を招請した」と述べ、「一外国領事が公文書だけを送って、世界的な芸術公演を中止させるなど、あっていいことのなのか」と強い不満を表した。 

神韻公演のプログラム中には、中国共産党による法輪功迫害をとりあげた演目が含まれている。一切、中国メディアが報じることのない迫害が周知されることを恐れる中国共産党は、在外公館を通じて、神韻芸術団や公演劇場を脅迫したり、妨害したりしてきた。

2016年5月、公演が予定されていたソウルKBS(韓国放送公社)ホールが中国大使館から脅迫的な文書を送られた後、突然、公演はキャンセルされた。

神韻公演の契約を取り消したKBS側は、以降、中国当局の「限韓令(リンク)」によってコンテンツ輸出路を断たれ、大きな経済的損失を被っており、中国大使館からの要求を受け入れても、損失をもたらすことになった。

中国の情勢変化を見極めることが大切だ

 

  韓国法輪大法佛学会は6日昼、記者会見を開き、中国大使館による公演妨害の事実を市民に知らせた。学会のオ・セヨル氏は、「中国大使館は、何を根拠に大韓民国の憲法と法律を無視し、文化芸術公演まで妨害し圧力をかけるのか理解できない」と述べ、「去年のKBS事件のとき、朴槿恵政権と大韓民国裁判所が中国大使館の内政干渉と文化主権侵害行為を許さなければ、再びこのようなことが起きなかったはず」と嘆いた。

さらにオ・セヨル氏は「邱国洪・駐韓中国大使は法輪功迫害を主導した江沢民の派閥にいる人物だ。江沢民の側近たちの大多数は現在すでに拘束されつつあり、江沢民自らも法の裁きに服するのを目前に控えている状態である」と最近の中国国内情勢を伝えた。

「韓国政府は今まで江沢民派の政策を支持してきたが、これからは中国の『核心』が誰であるかを見極め、伝統文化の復興を唱える習近平政権の政策を十分に理解した上で対中外交を展開すべきだ」と述べた。

オ・セヨル氏は「トランプ氏は中国共産党が法輪功修煉者の臓器を摘出して暴利を貪り、大量殺人を犯していることもよく知っている。トランプ政権は、必ずこの問題を解決するだろう」と述べている。

神韻 神から伝えられた人類文化の精髄

神韻は五千年もの間中国で伝わってきた多様な歴史物語を舞踊と音楽を用いて公演形式に創作した芸術である。中国古典舞踊と数々の名曲、東洋と西洋の楽器が完璧な調和をなしているオーケストラ、舞台と天上世界を往来するような独創的なバックスクリーンに、厳格な考証を通じて制作された舞台衣装と小道具は全世界の観客の心を魅了し感動を与えている。

神韻を見た多くの観客は神韻の伝える「仁・義・礼・知・信」、「天人合一」の思想、「因果応報」、「勧善懲悪」のメッセージが今日の人類が歩むべき正しい道を示したと賛辞を送り、芸術団員の内面から湧き出てくる純粋で美しい動作に感動したと述べている。

韓国の文化芸術関係者たちは口を揃えて、このような公演が中国大使館の妨害によって韓国で観覧する機会すらなくなることは韓国の文化芸術界において大きい損失である。中国大使館による公演妨害はあってはならないことであって、韓国政府はこのような事件の再発防止に向けて適切な措置を取るべきだと訴えている。

(翻訳・齊潤)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。