2017年秋に北京で開催予定の中国共産党第19回全国代表大会(以下、19大)で、中央政治局常務委員7人、政治局委員25人など最高指導部の人事が決定される見通しだ。習近平国家主席に近い情報筋はこのほど、19大後は中央政治局委員と常務委員の大多数が習派となり、党内の江派との権力闘争において絶対的な優勢になるとの見解を示した。香港誌「争鳴」11月号が報じた。
「自由派習粉(自由派で習近平のファン)」と名乗る同情報筋は、「習近平氏や李克強氏ら現在25人の政治局委員のうち11人が、来年11月に定年の68歳を迎えるため引退しなければならない」「11人の政治局委員の空きを埋めるため、習氏の側近や元部下などが起用されるだろう」と述べた。
情報筋によると、現在、浙江省党委員会書記(以下、党委書記)の夏宝龍氏、昨年中国経済情勢を分析した「権威人士」とされる中央財経指導小組弁公室主任の劉鶴氏、上海市副党委書記の応勇氏、中央弁公庁常務副主任の丁薛祥氏、深セン市党委書記の馬興瑞氏、元江派で現在は習氏に忠誠を誓っている天津市党委書記の李鴻忠氏ら8人。また、残りの3人は人民解放軍にいる習派閥人員が割り当てられることが予想される。上海市副党委書記の応勇氏を政治局委員に昇格させるため、江沢民派閥で現在同市党委書記の韓正氏が近く人事異動させられる可能性があるという。
一方、時事評論員の石実氏は来秋以降、中央政治局委員から退くのは11人だけではないと指摘する。「新疆ウィグル自治区の張春賢・前党委書記のように、職務調整で政治局から退く人もいるだろう」との見解を示した。
張氏は江派とみられ、習近平氏に対して公然と対抗してきた。今年3月、同自治区管轄のニュースサイト「無界新聞」では『習近平引退勧告』の公開書簡が発表された。また同月、北京で開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の新疆代表団会見で、張氏は記者からの「習近平政権を支持するか」との質問に対して、「また改めて話す」と言葉を濁した。これにより党中央は8月末、張氏に対して党委書記などの職を解いた。現在の肩書は「党の建設工作に関する中央指導小組副組長」となっている。
(翻訳編集・張哲)