青少年のHIV感染症死亡10年で2倍=アジア

2015/12/13
更新: 2015/12/13

アジア太平洋地域における青少年のHIV感染症による死亡者数について、専門家は11月30日、05年と比べ約2倍に増加していると指摘し、感染の拡大に警鐘を鳴らした。

国連の報告によると、同地域の新たな感染者7人のうち1人が15歳から19歳までの未成年者で、この年代の昨年の感染者数は約5万人。10歳から19歳までの年齢層では、感染症による死亡者数が、05年の3100人から2014年の6600人へと激増している。

アジア地域全体では、10歳から19歳までの約22万人がHIVに感染しており、感染率の最も高い国はインド。インドネシア、タイ、ミャンマー、ベトナム、中国、カンボジア、フィリピン、パプア・ニューギニア、パキスタンがそのあとに続いている。都市別では、バンコク、ハノイ、ジャカルタといった大都市で感染者の増加率が高いことが示されている。

アジアの多くの国では、子供たちがHIV検査を受けるためには、家長の同意が不可欠だ。そのためユニセフ職員は「子供たちの多くは、両親に性交渉の経験があることを知られたくない。このことが、検査を受ける人数が伸び悩む原因となっている」と指摘し、アジア諸国は、青少年がHIV検査を受けやすくなるよう条件を緩和すべきだと呼びかけている。

中国のタブロイド紙、新京報が掲載した最新の政府統計によると、中国の若年層の感染率は、年平均で約13%増加している。また今年1月から10月の、15歳から24歳までの年代における新たな感染報告は2662件であり、昨年の同時期に比べ約27・8%増加しているとも発表された。

アジア太平洋地域の成人全体では、HIV感染者数は明らかに減少しており、00年から2014年の新たな発症者は31%減少し、05年から2014年の死亡者数は28%減少している。

(翻訳編集・桜井、叶子)