【大紀元日本12月25日】人民政治協商会議副主席・党統一戦線部長の令計画氏(58)が、「重大な規律違反」の疑いで現在当局の取り調べを受けている。香港紙・信報財経新聞(信報)が23日、北京の情報筋の話として、習近平国家主席は令計画失脚について、すでに胡錦濤前主席の了承を得ていると伝えた。
令氏が5年にわたり務めた中央弁公庁主任はいわば「官房長官」のような存在で、胡錦濤政権時代に、胡総書記の大番頭として活躍し、指導部入りが有力視されていた。
しかし、息子・令谷(24)が2012年3月18日未明に北京でフェラーリを運転中、交通事故を起こし死亡した。この交通事故は令氏の運命を大きく変えた。
事故の直後、令氏は高額の外車を所有することで汚職の疑惑を掛けられることを恐れ、事件の隠ぺいを図った。無断で総書記の警護をする中央警衛局の部隊に事故処理を命じた。反乱と言われても過言ではないこの行為は指導部内部で激しく糾弾された。
中国メディア・財新網は22日、「フェラーリ事故」後、「息子死亡の原因を隠すため、令計画は当時の中央政法委員会トップ(周永康)とある政治的な約束を交わした」と伝えた。しかし、この約束はまもなくばれてしまったという。令計画の出世街道は、これを境に下り坂を迎えた。2012年8月、弁公庁主任を退いた令計画は党中央統一戦線工作部長に任命され、事実上の左遷となった。
23日付台湾メディア・聯合新聞網によると、「フェラーリ」事故から3か月後、胡錦濤前主席は中央警衛局の出動や事故処理・遺体の改名など令氏の一連の不正行為を知り激怒した。
令計画は長い間、胡錦濤前主席の腹心と見なされているが、今回、胡前主席は「救いの手」を差し伸べなかった。23日付香港紙、香港経済日報によると、胡前主席はずいぶん前からすでに身の回りの関係者に「令計画は長年秘書を務めてくれたが、腹心ではない」と主張し、令計画と明確に一線を画す姿勢を示していたという。
北京大学・政府管理学院の汪玉凱教授は、胡錦濤前主席は第18回共産党大会で完全引退し、江沢民元主席らの「古参の政治干渉」ルールを断ち切ったため、胡氏が令計画を守るために手を出す可能性は低いと分析した。
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