旧正月中の大気汚染 PM2.5、74都市の平均が426に

2013/02/20
更新: 2013/02/20

【大紀元日本2月20日】中国環境保護省は18日、今月9から15日までの旧正月連休中の全国74都市の大気汚染状況を発表した。肺の奥深くまで達する微小粒子状物質(PM2.5)の平均数値が最悪だった日は1立方メートル当たり426マイクログラムに上ったという。

また、この7日間のうち、74都市の平均値で、2016年から施行予定の環境基準75マイクログラムを上回ったのは約半数の45.3%。さらに、北京では306、天津では577、河北省石家荘では527、とそれぞれ期間最悪値を記録した。

旧正月中の大気汚染の原因について、環境保護省は、爆竹や花火が原因であるとしている。一方、中国の多くの都市を襲う深刻な大気汚染は「人為的なずさんな汚染物質排出と自然環境破壊による直接的な結果」であると指摘する報告書がこのほど発表された。

報告書は中国の最高研究機関の一つである中国科学院によるもの。研究チームは、北京周辺各地の濃霧から窒素を含む有機化合物の粒子状物質を大量に検出したという。同チーム責任者の王躍思氏は、この物質による人間の肺や、心臓への危害は非常に大きいとして、「最も危険な兆しだ」と警鐘を鳴らした。同物質は20世紀半ばに多くの死者を出したロサンゼルス型光化学スモッグの主要成分の一つでもある。

光化学スモッグは、通常では高温多湿で日照が強い夏シーズンに発生する。今回のように、冬シーズンに多発する理由について「大気中の窒素酸化物や揮発性有機化合物の濃度が非常に高いためではないか」と同氏はみている。

(翻訳編集・叶子)