【大紀元日本9月20日】ロシアのオスタンニーノ村で、数年前から1人の中国人投資家が村付近の農場を買い増しし、大農場にした。彼はこれを「金の土地」と命名した。肥沃な土地、十分すぎる日照、潤沢な水供給力は魅力的だ。ニューヨーク・タイムズ紙の記者が現地を取材し、関連報道を出した。
オスタンニーノ村はロシア中部に位置し、人口の少ない村だった。
いまの状況は完全に変わった。ずらりと並ぶ巨大ビニールハウスの中、数十人の中国人農民がトマトを収穫している最中。中国人オーナーは、「トマトが最盛期のシーズンでは、さらに数百人の労働者を雇う」と話した。
「金の土地」と同じような農場はロシアで増えている。資源が豊富で、土地が広いロシアと、豊富な労働力を有する中国。両国は農業分野での提携を拡大しつつある。
国連の世界食糧計画(WFP)の統計では、ロシアは世界最大面積の空農地を保有。その一方で、ロシアの1.41億の人口に対し、中国の人口は13億だ。食糧の安全問題と農民の就職は、中国当局を悩ませる課題の一つでもある。
中ロ間の農業投資に関する話し合いが5年前、食糧価格の上昇を受けて始まった。その後、中国企業がロシアの農地を借り始めた。これらの農地は中国東北部と隣接する国境地域に集中するが、シベリア地区で80万ヘクタールの林地を借り、木材を伐採して中国に輸出している企業もある。
土地を買収する中国投資家もいる。スベルドロフスク地区農業部の説明によれば、同地区には9軒の中国人経営の農場があり、「金の土地」はそのうちのひとつだ。
「金の土地」のオーナーの張偉東さんは今年、ロシア連邦移民局から70人の外国人農民の就業枠をもらった。しかし、「もっと多くの労働力が必要だ」と彼は言う。
人員募集は難しくない。中国の農民にとって一稼ぎするチャンスだからだ。ハルピン市近郊の農民・李琿労さんは、なぜ遠く離れたロシアに来たのかとの記者の質問に、「金を稼ぐためだ。そのほかに何があるのか」と即答。ロシアでの一カ月の稼ぎは650ドル(約5万円)、中国での収入の5倍だという。
ロシアではいま、中国からの移民が約40万人いる。経済協力の拡大により、中国人移民の数が今後、大幅に上昇すると見込まれている。「人口の少ない地域が占領されてしまうのではないか」との不安も出ている。
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