市民の解放に1万人以上が拇印を押した(大紀元)
【大紀元日本6月20日】父親が刑務所で不審死し、さらに調査を求めた母親と妹も監禁された黒龍江省伊春市在住の秦栄倩さん(女性、23)は父親の死の原因究明と母と妹の釈放を求め、市民に支援を呼びかける署名活動を行った。わずか2週間で1万5千人を超える署名が集まった。
父である秦月明さん(47)は昨年2月26日、黒龍江省の佳木斯刑務所で全身傷だらけのまま急死した。刑務所側は死亡に不審点はないと説明したが、家族は納得できない。それから5カ月間、妻と二人の娘は刑務所、検察、政法(司法、公安)委、裁判所、陳情機関などの政府機関に秦月明さんの死因の調査を求め続けたがどこも対応してくれなかった。その上、一家の陳情を阻止するためか、妻の王秀青さんと次女の秦海龍さんは強制労働収容所に入れられ、1年半の強制労働に処された。政法委は王秀青さんに対して、訴訟の撤回を強要している。
窮地に立った秦栄倩さんは署名活動を始めた。陳情書では、「父が誰に殺されたのか、どのようにして亡くなったのか、犯人の法的責任をどう追及するのか、どの政府機関も対応してくれない」「この世で正義と道理が完全に喪失したと信じたくない。権力者は恣意的に無実の人間を監禁したり、殺したりしていいのか」と訴え、母と妹が釈放されるよう支援を呼びかけた。
大勢の人々は一家の境遇に同情し、わずか2週間で1万5千人以上が署名し拇印した。
一家の悲劇は13年前から始まった。父の秦月明さんはボランティアで村の道路を作るなど、地元では人望が厚かった。1999年、当時の江沢民政権が法輪功への弾圧を命じた。秦月明さんは法輪功を修煉し続けたため、強制労働収容所に3年間監禁された後、10年間の懲役刑に処された。妻の王秀青さんも3回ほど強制労働収容所に入れられた。
両親が最初に監禁されたとき、秦栄倩さんは10歳だった。13歳のとき、彼女も両親とともに1カ月間身柄を拘束された。また、学費が払えないため、妹も余儀なく学校を中退させられた。
妹を養うため、秦栄倩さんは13歳から料理屋で皿洗いのバイトをはじめた。何年もの旧正月に、帰る家がない幼い姉妹はバイト先の料理屋で肩を寄せ合いながら新年を迎えた。
傷だらけの父の遺体
2011年2月26日、佳木斯刑務所から突然、刑期満了直前の父が急死したとの連絡が来た。
父の遺体と対面したとき、「父の表情は非常に苦しそうだった。唇が紫色で、遺体を引っくり返すときに、口と鼻からたくさんの血が出た。胸部のほか、首、背中、腰、両足は黒く変色し、多数の傷跡」、父の変わり果てた姿に彼女は驚いたという。
刑務所側は「心不全」「正常な死亡」と説明しながら、死亡原因を説明する文書の提示や死亡直前の監視映像の提供を拒否し、「映像は消えてしまった」と主張している。
刑務所側は一時、示談を持ちかけたが、遺族は拒否した。
秦さんが死亡した直後、同刑務所でさらに2人の法輪功学習者が死亡したという。
法輪功(ファルンゴン)とは、中国伝統文化の一つである気功の心身健康法である。約20年前から無料で一般に公開普及されてきた。心身の健康に効果が高いことから、一般庶民から政府高官や軍の関係者まで、中国社会の各層で学習する人が爆発的に増え、弾圧直前には、1億人以上が煉功していたと推定されている。当時の江沢民・前国家主席は政権への脅威と受け止め、他の最高指導部のメンバーの反対を押し切って、1999年7月に弾圧を命じた。法輪功の公式サイトは、13年間に及ぶ弾圧によって3500人以上が拷問などで死亡、数十万人は投獄されていると発表した。
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