中共の最高機密を握っているオバマ大統領は、今後の中共の政治情勢の成り行きに大きく影響するものと専門家は指摘(GettyImages)
【大紀元日本6月4日】重慶副市長の米国亡命騒ぎから、陳光誠氏の自宅脱出事件を経て、最近また、中国国家安全部内の20年来最大とされるスパイ活動が暴露された。これら一連の事件により、米国は中共指導部に関わる最高機密を多く掌握することができたばかりではなく、米国は過去にない姿勢で中共指導における闘争に関与することになった。
その結果、オバマ大統領は中共政治局の「10人目の常務委員」と揶揄されている。今後、この「10人目の常務委員」は中共の政治情勢の成り行きにますます影響力を増していくものと思われている。
最近、中国国家安全部のスパイ案件でさまざまなうわさが飛び交っている。6月1日付米紙ニューヨークタイムズによると、中国当局は年初に国家安全部の1人の官員を逮捕した。容疑は、国家安全部官員の身分を利用し米国のためのスパイ活動を行ったとしている。
香港誌・新維によると、逮捕されたのは中国国家安全部副部長補佐であり、350人ほどがこの件に巻き込まれたという。スパイ事件により中共の指導部は大きな衝撃を受け、胡錦濤主席は激怒し徹底的に調査するようにと指示したという。
中国の最高級情報に触れることができる副部長補佐がスパイであったことは、きわめて異例のことだ。この補佐は米国中央情報局(CIA)に買収されてから、米国に中国の「政治、経済および戦略情報」を数多く提供したものとされ、これは1985年、中国国家安全官員・兪強声が米国に亡命して以来の最大級のスパイ事件となる。
ニューヨーク・タイムズによると、今回逮捕された国家安部の一人は、今年2月6日の元重慶市公安局長・王立軍が駐重慶米国領事館に駆け込み、亡命を求めた事件の詳細や、薄煕来の妻がイギリス人ビジネスマン、ニール・ヘイウッド氏を殺害した事件の証拠などのほか、中共政治局委員薄煕来が常務委員で政法委主任の周永康と共に次期指導者の習近平を倒し、最高ポストを握ろうと画策した情報、など様々な情報をCIAに提供したと報道している。
スパイ事件で再度明らかにされたように、中共の政局が激動する時期に入った今、中共の核心的極秘情報を多く握る米国は、すでに中国の政局を左右することができる、きわめて有力な外部要素となった。その結果、オバマ大統領は9人から構成される中共政治局常務委員会の「第10人目の常務委員」と揶揄されている。
中国問題専門家・石藏氏は、米国の中国政局に与える影響力は日増しに増し、それらは今後、中共「18大」の行方などにも多大な影響を与えるにちがいないと指摘する。
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