<赤龍解体記>(46)北京大教授「中共改革はすでに死んでいる」(二)

2012/01/02
更新: 2012/01/02

【大紀元日本1月2日】

集団主義をもって異なる思想を消滅

中国では、集団主義が強調され、個人主義が抑圧されている。中共は集団という名目をもって、異なる思想を消滅しようとしている。

中共の言う通りに従わなければ、最終的にはその人の肉体まで消滅されてしまう。むろん、その人の思想云々も同時に消えてしまうのだが。

これまで、中共は間違いを犯し錯誤していると考えていたが、実は中共の犯したことはただの錯誤なのだろうか。その多くは人類に受け入れられない罪なのである。この犯罪に携わった人々まで、悪事に関わったと言わざるを得ない。

中共の指導部には共産主義を信じる者はいない

共産主義独裁政権は、絶対的・集団的権力をもって、国民生活のあらゆる面をコントロールしている。かつて、共産党に反対するようなことを言えば、大罪に問われた。しかし、今日では共産党や社会主義への反対は高まる一方で、抑えても抑えきれない勢いだ。中国人が外国の政治や経済などの世界情勢を知り、海外と何らかのつながりを持つようになったら、この自由への流れを止めることはできない。

現在、中共の指導部の者も、中共と社会主義に反対していると言っても過言ではない。中共指導部の中で、本当に共産主義を信仰するものはいるのだろうか。共産主義云々はみな国民を騙すための道具に過ぎない。中共の常務委員会の常務委員9名から町村の中共幹部まで、共産主義を真に信仰する人は、まずいない。

では、今の中国は社会主義なのか、それとも資本主義なのか。中国では、国家独占の資本主義、権力貴族の資本主義、人事関係の資本主義が同時に進行している。社会主義を採択するならば「中国の特色を有する社会主義」でなければならない。現在の指導者たちは、実用主義と便宜主義に走っており、自我にとって最も有利なものだけを取っている。政治的理想はなく、宗教観も持たず、拝金主義、物質至上主義に走っている。

辛亥革命百年記念をもって政権合法化をはかる中共

胡錦濤は、辛亥革命百周年記念集会で談話を発表し、以前より孫文の革命理念を多く採用するようになった。しかし、これは唯の形式上に過ぎず、政権を合法化しようとすることが目的である。

なぜ、孫文の理論を肯定するように転換したのか。中共のこれまでの説法は無力になってきており、国民を説得することができないからである。

胡錦濤は、トップの座に就いて以来、「民生」に言及しているが、「民権」と「民族」はほとんど言及しない。多くは中共のタブーなので、立ち入って研究することもできない。胡錦濤が本当に孫文の理念に賛成するのなら、中国の学者やマスコミに孫文について全面的に研究するように指示すべきではないだろうか。孫文の言論を片鱗的に引用するのは、自分のため、自分を飾り付けるために過ぎないのである。

台湾の大統領選挙の弁論を羨む

台湾の大統領選挙に関する弁論をテレビで見て、夏業良教授は羨ましくてたまらないという。選挙に関して、夏業良教授は次のように語った。

台湾の大統領選挙における候補者たちの演説は、どんなに異なるものでも自分の主張であり、自分に忠実な発想に基づいている。演説の際に粉飾する余裕はあまりないだろう。

しかし、胡錦濤に聞いてみて欲しい。「あなたは本当に共産主義を信仰し、共産主義のためなら、自分のすべての財産を捧げることができるか。もし、あなたが自由社会の理念と異なるなら、あなたの親族や子孫が自由社会に移住し、資産を自由社会に移すことを拒むはずだと思うが」と。

ご存知のように、中共の指導部の多くの家族や親族が、資産を大量に海外に移し、海外移住をはかっている。エスカレートする情勢を緩和しようとし、自分の統治に便宜をはかることが彼らの仕事だ。国民と権力を分かち合うつもりはなく、権力を手放す用意もない。いったん特権を手にし、特権の旨さを味わうと、70歳になっても、80歳になっても、その権力は手放せなくなる。

(続く)