警官隊と村民が対峙する烏坎村、村民と当局が話合へ=広東省

2011/12/22
更新: 2011/12/22

【大紀元日本12月21日】村民の大規模抗議が続いている広東省陸豊烏坎村で、新たな動きがあった。11日から村の封鎖を図る警官隊と、抵抗する村民が対峙してきたが、現地からの最新情報によると、当局はある程度の譲歩を見せており、部隊の大半を撤収させた。

米政府系ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると烏坎村では、対話を望んできた村民代表と同市政府との話し合いが始まっている。村民側はまず、警官隊の完全撤退や、監禁中に急死した村民の遺体の返還、中立的なメディアによる遺体の検査、独立調査委員会の設立などを要求している。

ある匿名の村民はVOAに対して、現時点において話し合いは順調に進んでいると話した。「私たちの要求は非常にシンプル。無断で売却された土地を返してくれること。例え売るにしても、村民たちが納得するやり方で行うこと」と同村民は語った。 

幹部は無断で村の土地を大量に売却したため、ここ数カ月間、村民たちは土地の返還と民主選挙による幹部選びを要求し、直訴や抗議を続けてきた。しかし現地政府はそれに対応しなかった。11日には、3日前に逮捕された村民代表の1人である薛錦波さんが急死した。遺体には深い傷が多数あった。現地政府は、死因は心臓病だと公表したが、村民は拷問による死亡と判断した。

薛さんの死に怒りの収まらない村民たちはさらに大規模な抗議活動を行うことを計画立てた。その矢先に、500人以上の警察隊が村を包囲し、村民たちと警官隊の対峙が始まった。

香港紙「明報」19日付の報道によると、数千人の村民は21日、警察の包囲網を突破して同市政府役所の前での抗議活動を計画していた。村民たちは「殺されるのを覚悟した上の行動だった」と宣言した。

今回、警官隊が一部撤退し、村民と当局との対話がスタートしたため、21日に計画通り抗議が行われたかは、現在のところ不明である。

一方、地元テレビは連日、警察当局の声明文を報道している。村民代表たちは私利を図るため、村民を煽いで騒動を起こしていると、村民らを非難する内容だ。

近隣する汕頭市渓南鎮では、烏坎村での抗議活動の連鎖反応か、数百人の村民が18日抗議デモを行った。幹部が無断で売却した村の数百ムーの土地を、村民に返すよう求めた。

ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に答えた同村の住民の証言によると、土地の売却にあたって、村民には一銭の補償も支払われず、これまでの直訴で3人の村民代表が1年間の懲役刑を処された。今回の抗議にも現地政府はまったく対応しなかったが、その一方、警察隊も出動せず、抗議者の逮捕もなかったという。

 (翻訳編集・叶子)