【大紀元日本11月29日】中国は今後の食糧確保のため、アフリカの大地に熱い視線を注いでいる。アフリカとの農産物の貿易額を増やす一方で、広大な土地の開墾に乗り出し、自国の食卓に上る食糧の生産を進めている。
最近発表された南アフリカ・スタンダード銀行の報告書によると、中国は都市人口の増大と収入の増加のため、食糧の消費量が急速に押し上げられ、アメリカに次ぐ世界2位の食糧消費国になった。2015年までに、中国が食糧品に投資する金額は1兆ドルに上るだろうと同報告書は予測している。
都市化と工業化が進む中国では、耕作地が工場や住宅に奪われている。1996年から2006年までの10年間、中国は900万ヘクタールの耕作地を失ったと報告書は指摘する。
これらの背景から、中国はアフリカの農業資源に関心を寄せている。報告書によれば、中国のアフリカへの農業進出には主に2つのアプローチがとられている。1つは、アフリカの農業生産に中国は技術と資金を提供し、産出した農産物を輸入するというアプローチ。このアプローチで、中国は稲作や灌漑などの技術を提供し、アフリカとの農産物貿易額を急増させている。
もう1つは、アフリカの土地を開墾し、中国の耕作需要を満たすアプローチ。中でも、政治情勢が安定したモザンビークなどの国は絶好な投資相手となっている。現在、中国が投資・開墾したモザンビークの農地では、国内需要の高い大豆と綿花の生産がさかんに行われている。同時に、珈琲、茶、ぶどう、ゴム、煙草なども栽培されている。
アフリカの専門家は、一時的な投資をもたらす中国に振り回されず、アフリカ各国はまず自国の食糧保障を第一に考慮しなければならないと警告している。
(翻訳編集・張凛音)
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