チベット人焼身自殺 政府感謝の映像公開 捏造の疑い濃厚

2011/10/31
更新: 2011/10/31

【大紀元日本10月31日】今年に入ってから、チベットでは相次ぎ10人の僧侶が宗教の自由等を訴えながら焼身自殺を図ったため、国際社会が強い関心を寄せており、海外のチベット人団体は中国政府への抗議を強めている。この状況下、最近、中国政府はある映像を公開して、焼身自殺を図った後病院に搬送された1人の僧侶が、政府を讃える内容の映像を公開した。一方、海外のチベット人団体はこの映像は中国政府が偽造したものだと指摘する。

四川省アバ県キルティ僧院の僧侶プンツォさんが今年3月16日、焼身自殺を図った後、病院に搬送された後に死亡した。政府が公開した映像はブンツォさんが病院で焼身自殺を後悔して、公安警察と医者が親切に対応してくれたとして感謝の意を表する内容だ。

一方、ノルウェー本部のラジオ放送局「ボイス・オブ・チベット」(VOT)は、ブンツォさんが当時重度のやけどを負っていたため、声を発するのはまったく不可能だった。この映像は明らかに中国政府が捏造したものであると報じた。

一連の焼身自殺事件が発生してから、中国政府は四川省アバ県のチベット人村に2万人余りの工作チームを進駐させて監視を強化している。インドにあるチベット亡命政府の幹部ツェリン氏によると、工作員たちは有名な僧侶あるいは幹部に対して、焼身自殺を批判するコメントを強要して録画する。協力しない人は処罰されている。その映像は宣伝用に使われている。

中国政府は焼身自殺した僧侶は皆心の病を抱えていると結論付け、再発防止に全力を挙げるよう通達している。

VOTは、「中国政府のこれらの対応は、一層現地のチベット人の反感と怒りを買っている」と報じた。

17日には尼僧が自殺を図り死亡したのを受けて、AFP通信の報道は、四川省アバ県のチベット人僧侶の主流的な認識として、「一連の焼身自殺事件の根源は、中国政府がダライ・ラマ14世との対話を拒否しているため、チベット人が絶望していることにある」と伝えた。一方、中国政府は同焼身自殺行為を「姿を変えたテロ」とし、国際メディアが過大報道していると非難した。

(記者・万平、翻訳編集・叶子)