北朝鮮とイランのミサイル技術交換 中国は「第三国」否定 報告書採択が難航

2011/05/20
更新: 2011/05/20

【大紀元日本5月20日】北朝鮮イランの間で弾道ミサイル関連技術が近隣の「第三国」経由で取引されているという国連安保理の機密報告書について、中国とイランの外交部は17日、相次ぎ事実関係を否定した。一方、報告書の提出や公表を阻止する中国当局の動きも報じられている。

2006年、北朝鮮が核ミサイル実験を行った後、国連は制裁を発動し、北朝鮮に対し、武器や核技術、その他の物質の大規模な輸出入を禁じた。

今回の「第三国」報道について、中国外交部の姜瑜・報道官は17日の記者会見で、コメントしないと答えた。また、同報道官は、調査報告書を作成した国連の専門家委員会に属する中国代表が、まだ同報告書に署名しておらず、国連安保理もまだ同報告書を認可していないと発言した。一方、中国の胡正躍・外務次官補は18日、「(報告書の)そうした見方は完全に否定する」との態度を示した。

一方、イラン外交部も同日に、同報告書の内容を完全に否定した。同国報道官は北朝鮮から核兵器技術を購入していないと主張し、イランには他国の技術協力の必要はないなどの発言をした。

ロイター通信は、国連安保理の議長国フランスが各理事国に送った通知書を入手したという。同通知書では、「報告書の公表にはもっと考案する時間が必要」というある理事国の提案を伝えており、同理事国は中国であるかどうかは記載しなかった。ある欧米諸国の外交官はロイター通信に対して、中国側が類似の報告書の公表を阻止する場合、よく今回の手法が使われると証言している。「北京の指示をまだ得ていない」という理由が往々に用いられる。

また、ロイターの報道によれば、同報告書を作成した国連の専門家委員会が国連安保理に同報告書を提出したときも、委員である中国代表が報告書の署名を拒否したため、提出が1日遅れた。これについて、委員会の責任者は事実関係を認めたが、この委員の国籍を明かさなかった。

中国の国連代表はこれまでにも、北朝鮮やスーダンに関する調査報告書の公表をたびたび阻止してきた。

国連が同機密報告書を公表するには、国連安保理理事国15カ国全員の賛成が必要だ。これからの動向が注目されている。

 (翻訳編集・叶子)