【大紀元日本3月5日】ネット規制の次は携帯監視か。北京市では、携帯電話を通じて市民の外出情報を監視するシステムの導入実験が行われることになっている。第1期の導入は今年前半に完了する予定。国内メディア各社が伝えた。
このシステムは、世界最大の利用者数を誇る携帯電話会社・中国移動通信の北京ユーザー1700万人のデータをもとに、「北京市民の外出情報プラットフォーム」を構築するというもの。このシステムが導入されれば、1700万人以上の位置情報を当局がチェックできるようになる。
当局はこのシステムの導入目的を「人口分布と、異なる時間帯ごとの人の流れ」を把握し、交通渋滞の緩和などに役立つためだとしているが、この声明が発表されるや否や、ネット上の掲示板などに市民から猛反発の声が殺到した。そのため、今では多くの国内ウェブサイトはこのニュースを削除するか、掲示板を閉鎖している。
時事評論家・劉逸明氏がラジオ自由アジア(RFA)の取材に対し、システムの導入は民衆の動きを監視し、抗議事件の発生を防止するためだと指摘した。「当局はチュニジアやエジプトのような大規模な抗議活動の発生を恐れ、いま、あらゆる方法で阻止しようとしている」と語った。
実際、当局は、マークしている活動家や陳情者に対して、かつてから携帯電話を通じた監視を実施している。「毒ミルク被害者家族の会」の責任者代理・蒋亜林氏はRFAにこう証言した。「私たちは、記者会見の準備に集まる時、いつも携帯の電源を切り、電池も取り出していた。しかし、趙さん(趙連海・同会代表)は遠方にいるため電話せざるを得ないが、10分後には警察がやってきた」
「今度は彼らは一般市民の外出までも監視しようとしている。この政府は何を恐れているのか。ここまで取り乱すほど国民が怖いのか」と蒋氏は語った。
一方、法律の面から同システムの合法性に疑問を呈する弁護士もいる。北京在住の彭剣・弁護士はRFAに対し、監視システムは「プライバシー権の侵害だ」と指摘し、「携帯電話会社がユーザーの了承なしに位置情報を他に使用することは、明らかに公民のプライバシー権を侵害しており、法的根拠はない」と批判した。
今回の行動監視システム以外にも、北京の警察当局は今年6月から、街頭で24時間のパトロール体制を実施するという。最初に設置される25カ所のパトロールステーションには、警官が24時間勤務するほか、街頭の状況をリアルタイムで把握できる動画監視システムも導入する予定になっている。
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