【大紀元日本2月16日】アフリカ5カ国とアラブ首長国連邦(UAE)を歴訪する中国の楊潔篪・外相は、10日、最初の訪問国ジンバブエを訪れた。中国の外相がジンバブエを訪問するのは10年ぶりとなる。今回の訪問はジンバブエに100億ドルの投資をもたらす、と英紙デイリー・テレグラフが11日、ジンバブエ当局の話として伝えた。
デイリー・テレグラフが報じたこの話は、ジンバブエで経済企画投資振興を担当するタピワ・マシャカダ長官によるもので、同氏は今月初めにも、首都ハラレで行われたビジネス会議で、中国から100億ドルの投資を受ける交渉を中国国家開発銀行の幹部と進めていることを明らかにした。投資は同国における鉱物採掘や農業、エネルギーなどの分野にわたるという。
また、11日の中国紙の報道によると、今回の訪問で中国とジンバブエとの間に経済技術協力協定が締結された。一方、ジンバブエのメディアは、5000万元(約6.3億円)の支援プロジェクトに双方が調印したと報じている。
今回の楊外相のジンバブエ訪問は終始友好ムードが演出された。10日に同国に到着した楊外相は、「ジンバブエは中国の良き友人、良き兄弟、良きパトナーである」と発言し、さらに、欧米諸国による同国への制裁を解除すべきだと主張した。
ジンバブエは、プラチナ埋蔵量で世界2位を誇るほか、金や銅などの金属資源も豊富。さらに、メタンガスや石炭、豊富な水資源など、未開発の天然資源も豊かだ。英BBC(中国語版)によると、中国はすでにジンバブエのダイヤモンド採掘に投資している。今後は同国のインフラへの投資と国連の政治支持を得ることで、ジンバブエから廉価なプラチナを入手することが狙いだ、とBBCは専門家の分析として伝えた。
楊外相は今回ジンバブエのほか、アフリカのガボン共和国、チャド共和国、赤道ギニア共和国、トーゴ共和国、アラブ首長国連邦も訪れる。中国がアフリカで行っている投資活動は「確実な見返りと譲歩を期待している」と、BBCは英国の元ハラレ駐在外交官の発言に言及しており、その「見返り」とは鉱物と石油だと指摘した。
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