オバマ大統領にまで? 中国での「言論規制」

2009/11/20
更新: 2009/11/20

【大紀元日本11月20日】4日間にわたる中国公式訪問を終え、オバマ米大統領は18日午後、北京を離れて韓国へ向かった。この中国滞在で、「米中の協力は両国にさらなる繁栄と安全をもたらす」など、大統領の発言は中国メディアに大々的に報じられているが、スピーチの内容はフィルタリングされ、中国側に対するダライ・ラマ14世との対話要請、台湾との関係や情報封鎖に関する言及など、肝心の問題における中国との違った認識は、中国側の報道では一斉見当たらなかった。

記者質問のない記者会見 

北京での歓迎式が終わった後、オバマ大統領と中国の胡錦涛国家主席は、人民大会堂で1回目の正式会談を行ない、会談後、双方は共同声明を発表した。両国の指導者は会談で、今後協力できる問題を強調したが、記者会見で記者の質問が設けられていなかったため、大きな意見の相違や問題点は明らかにされなかった。

報道の規制

16日に上海で行われたオバマ大統領と学生との対話集会は、上海の地元テレビ局のみで中継されたが、実際は数秒間遅れの仮「生中継」。質問を出した学生らも、すべて当局に指定された中国共産主義青年団など政府組織の学生団体の幹部ら。

自由アジアラジオ放送局(RFA)によると、北京のある政府機関紙に勤める記者の話では、オバマ大統領の訪中にあたり、メディアを管制する最高指導部の「中央宣伝部」は内部通達を下した。すべての関連報道は「新華社」のニュースに準じること、政治的に触れてはならない突発的な事件を報道してはならないことを命じ、違反者には厳しい罰則を課するとの内容だった。

広東省の深セン市に在住するネット作家・趙達功氏によると、関連の情報はインターネットサイトでも完全に封鎖されている。オバマ、人権などのキーワードで検索しても関連の情報はまったく表示されないという。

オバマ大統領に直訴する中国人 

オバマ大統領が北京に到着した16日、夕食会が開かれた「釣魚台賓館」には約80人の直訴者が集まり、自分たちが受けた人権侵害を直接オバマ大統領に訴えようとした。間もなくパトカーが到着し、42人が連行された。直訴者の1人・李恵芳さんによると、待っていた直訴者は、横断幕などを所持していたわけではなく、ただ静かに待っていたという。

中国当局は、このような事態を予測していた。オバマ大統領に直訴するという見苦しい出来事を避けるため、公安当局はオバマ大統領が北京に到着する前に、大規模な拘束作戦を展開。香港の人権団体である中国人権民主化運動のニュースセンターによると、拘束者は千人を超え、「闇監獄」と呼ばれる違法な拘禁用施設に収容されている。これらの直訴「嫌疑者」の中には、人権改善を求める民主活動家や汚職問題などの告発者、当局が認めないキリスト教団の関係者などが多く含まれている。

(編集翻訳・東山)