「九評」発表5周年 崩壊しつつある中共「ベルリンの壁」

2009/11/17
更新: 2009/11/17

【大紀元日本11月17日】20年前、ベルリンの壁は轟然と崩壊した。

いかなる強固な堡塁であっても、瞬時に崩壊する可能性がある。一分の隙もないかに見える鉄のカーテンであっても、巨大な運命の手を防ぐことはできない。ベルリンの壁崩壊は、われわれはこのようなことを告げた。

いかに望みがなく恐怖が満ち溢れていても、心の中の信念と希望を放棄してはならない。われわれの気づかないうちに、光明と自由は悄然と降り注いてくるからである。

目下、全世界の目線は中国のベルリンの壁に向かっている。それは、メディアからネットまで、言論から精神まで、経済から信仰まで、中国人のあらゆるものを、半世紀以上にわたってブロックしている、より巨大な壁である。この高い監獄の壁に閉じ込められ、8千万人が暴政によって無言のまま死に追いやられ、更に多くの中国人がさまざまな迫害を受けている。中共の壁に閉じ込められた以上、その迫害から逃れられる者はほぼ皆無である。

20世紀80年代、自由社会の信仰、自由の春風が神州の大地を吹きわたった時、中共の周期的な政治運動を経て怖れ戦く中国人はかつて、中共に対しふたたび夢想の炎を灯し始めた。中共は、己の行いを改め、政治的迫害を停止し、言論、信仰、集会、結社の自由そして憲法で定められた権利を国民に与えてほしい、と切望していた。しかし、彼らは1989年に学生を虐殺し、1999年から10年以上にわたって法輪功への残酷な迫害を続けている。中国人の最後の夢は、中共の残酷な暴行によって、容赦なく踏み潰されてしまったのである。

中国人をおおっぴらに迫害すると同時に、中共は国家政権を窃盗し、国民の財産を巻き上げ、そして虚言と腐敗を全世界へと拡散している。中共の利益による買収を目の前にし、主流文明の自由人権は今や、いま一つの巨大な危機を経歴している。欧州におけるベルリンの壁は崩壊したが、中国の大地を荒らし10数億の中国人を制御している共産主義の悪霊が取り除かれないかぎり、中国の未来が案じられるのみならず、世界の自由や平和も成し遂げかねるものになるにちがいない。

天意に従った「九評」と中共脱退

悪党中共が歴史上で犯した罪、とりわけ法輪功学習者に対する残酷な迫害は、はなはだ甚大であり、世界を激怒させている。是正するチャンスを十分に与えられたにもかかわらず、中共は依然として悔い改めることを拒んできた。中共はもはや、あらゆる改良の機会を自ら失ってしまった。

2004年11月19日、「九評共産党」が発表された。それに誘発され、中共の組織である中国共産党、中国共産主義青年団、中国少年先鋒隊から離脱する民衆運動(略称して「三退」、以下同)が起こった。「九評共産党」の発表は、中共解体の必然性を意味しているのみならず、それによって中共はすでに解体し滅亡する末路に辿りついたのである。

「九評」は中共の醜悪な台頭、虚言、暴力、暴政、殺戮などの事実をことごとく暴き、その邪教的本質を白日のもとに晒した。系統的で斬新な視覚をもち、未曾有の高度な観点から、中共が長期にわたって巧妙に作りかつ国民に注いできた諸々の虚言を打ち破った。中共の虚言のもとで一生を過ごしてきた人々にとって、「九評」は歴史の真相を還元したのみならず、真新しい思惟と勇気を与え、人々に中国を百年近く毒害している共産の悪魔を直視させたのである。

「九評」および中共脱退の民衆運動は、中国史上で震撼的な精神覚醒の運動を引き起こした。欧州の自由運動に比べ、この精神覚醒の大衆運動は得難いものであり、なおかつ人類史上のあらゆる精神運動より規模が大きく、意味も深遠である。「九評」発表後、中国人は従来の甘んじて迫害を受ける受動的立場から、自ら進んで迫害を制止し中共を解体する立場に一転してきた。これは、中国社会における真新しい歴史的な転換点である。

目下、6千万を超える民衆が中共組織から離脱し、すでに中国社会の生態と行方を抜本的に切り替えた。「九評」の発表と「三退」の普及は、中共の邪悪な環境を清浄することを意味している。中国の民衆は今、全面的に精神覚醒しはじめたのみならず、日増しに勇気をもちつつ、中共を恐れなくなっている。多くの人々は勇敢に立ち上がって中共の暴政に反抗し、迫害を制止し、敢然と大らかに中共を唾棄するようになった。

強調すべきことは、「九評」によって引き起こされたこの中共脱退運動は、中国国民の精神的な覚醒であって、決して政治的運動ではない。中共はつねに「政治」という語をもって民衆を間違った方向へ導いてきた。国民を利用して政治運動をやろうとする際、全民的政治運動を引き起こし、その運動に参加しない人は批判の的とされる。逆に、国民を犬儒とした場合、民衆の迫害反抗を政治運動と冠して打撃するのである。「九評」と「三退」の根本的な目的は、中国人の道徳と良識への救済であり、中共の邪悪政治から遠ざかり、中共のもたらす災難の発生を制止し、それによって、中国人の命そして中国社会を救うことである。この点からいえば、「九評」は天意に従い民心に合う義挙と言える。

中共を解体し、その毒素を粛清するということは、中国人の精神を解放することになるのみならず、中共に破壊された伝統文化の復興にも基礎を築くことになる。すなわち、中共が崩壊すると同時に、さんざんに蹂躙されてきた中華民族が苦難の中から新生へ向かうはずである。

共産党廃棄は時代の大趨勢

「九評」によって引き起こされた「三退」という中国民衆運動は、国際社会をも改変しつつある。

中共を解体する過程で、百年にわたって世界に害を及ぼしてきた共産主義の実践も、全世界で終焉を迎えるに違いない。欧州では、多くの国が共産主義の毒素を粛清するために立法を行っているし、欧米など多くの国では、共産主義受難者記念碑を立てて、ポスト共産主義の社会を切り開いている。このような広がりつつある「共産主義廃棄」の歴史的な潮流は、まさしく「九評」と相互呼応しているのである。

過ぎ去った数十年間、自由社会は経済や自由貿易を通じて中共を変えようとしてきたが、事実が証明するように、これらはいずれも無効なものである。いよいよ明らかになってきたことだが、中国国内の民衆による覚醒こそが、中国の未来の運命を決定する真の力である。中共脱退はもっとも代償が少なく、もっとも平和的でストレート的な方式なのである。

歴史は繰り返すものである。欧州のベルリンの壁が崩壊した今、中国のベルリンの壁もかならずや崩壊する。中国の民衆は、「九評」を伝播しつつ「三退」を促しているが、彼らはまさに少しずつ中共という、より巨大なベルリンの壁を打ち倒しつつある。唯一異なるのは、この努力は、ベルリンの壁が崩壊した際に経験した社会的な激動を避けることができ、なおかついかなる力であっても、この運動を阻止することはできない。なぜならば、これは、自由民主や素晴らしいものを求める人間の本性から生まれたものであり、ただ内なる良識の覚醒および道義的な選択をするのみだからである。そして、この高い壁が完全に崩壊するまで、人々は自分の心的な選択をするチャンスを与えられているのである。

歴史の潮流を無視するのは、決して叡智的ではない。邪悪を無視するのは、絶対許されることではない。中共が解体へ向かっている目下、世界各国の政府および民衆も同じく、中共の本質を見極め、中共から遠ざかり、中共の迫害を譴責しつつ、中国民衆の精神覚醒運動を声援すべきである。それがひいては、自民族のために歴史的な責任を果たすことにもなるのである。

ポスト共産主義が始まった今、あらゆる生命は、自らの選択と所為を良心から省みなければならない。

「九評」が発表されて5周年になる今、より多くの人が「九評」を伝播し「三退」を促す壮挙に参与し、一日も早く中共というベルリンの壁を取り除かねばならない。それをもって、自分、中国、そして世界の未来のために、輝かしい一章を切り開かねばならない。

(大紀元編集部2009年11月14日)