国営企業倒産、従業員が生活費を求め抗議=貴州省

2008/07/14
更新: 2008/07/14

【大紀元日本7月14日】中国南部の貴州省貴陽市では先週、約千人の元国営企業の従業員が貴陽市頭橋の主要道路に集まり、政府に対して生活費を求め、抗議を行った。そのため、現地の公共道路を約10時間にわたって塞ぎ、一時交通麻痺状態となった。

抗議者らは、貴州省貴陽市にある50年の歴史を持つ国営企業、貴陽耐火材料工場の元従業員。同工場は長期間の損失のため、昨年売りに出された。その結果、この工場を退職したおよそ千人の従業員が、毎月わずか200元(約日本円3000円)ほどの生活費しか受け取ることが出来ず生活維持が困難となった。このため今月8日、不満を持った千人以上の元従業員たちが街に出て政府に対して抗議した。

ある目撃者は10日海外メディアRadio Free Asiaの取材に次のように伝えた。

目撃者:彼らの要求は、生活維持問題の解決で、工場が売られ、1ヶ月200元ちょっとでは生活できないということです。

記者:何時間抗議したのですか。

目撃者:朝8時から夜8、9時まで。彼らはあそこで車の通行を阻んでいました。

記者:彼らは車両を通さなかったのですか。

目撃者:そうです。

中国大陸の多くのインターネット論壇が写真や文章を豊富に載せ、この情報を発表している。それによると、8日午前9時頃、貴陽市頭橋の主要道路上に貴陽市耐火材料工場の元従業員と退職者千人以上が集まり、2、3時間ほど道路を封鎖した。交通警察部門は多くの警察官を出動させ、これらの通行を妨げる人々を強制的に阻止した。これらの従業員はこのような方法で政府の注目を引き、今後の彼らの生活や老後の問題の解決を希望した。工場が倒産し、元従業員や退職者は生活保障が無くなったが、みな冷静で大きな混乱はなかったという。

工場の従業員と交流があった貴州社会活動家の寥双元氏の話では、生計のため、彼らはすでに何度も陳情を行っており、これまで何度も道路を封鎖したことがあるという。また、現地の住民によると、従業員らの今回の陳情は先週から始まっており、すでに4、5日経過しているという。

記者:毎月200元ちょっとで生活できますか。

住民:今は物価が高いから、もちろんできないでしょう。みんなご飯を食べなければならないんだから。

調査によると、政府は失業した従業員の要求に対し、引き伸ばし政策を取り続けており、回答を出していない。このため彼らは仕方なく政府の目を引くように道路を封鎖するという方法を採っている。しかし、彼らの行動はほとんど効果を上げていないのが現状だ。

寥双元氏:耐火材料工場は雇用者数千人以上の大工場で、倒産すればこれらの人々は社会に放り出され、生活費もなく、自分でアルバイトをするしかない。若い人はまだ仕事を見つけることが出来るが、年配者になると企業の募集はない。だから、これらの人々は政府に生活問題の解決を願っているのだ。

同工場は1958年に設立され、場所は貴陽市白雲区龔(きょう)家寨。中国四大専業耐火材料生産工場と西部地区で重点的に建設された耐火材料供給基地であった。現在は貴州省冶金国有資産経営有限公司に管理が委託されている。工場の全従業員数は3255人。退職者1384人。

ネットユーザーによると、2005年関連部門が耐火材料工場資産価値を一億元以上と評価していたが、最近になって三千万元で売りに出されたという。国有資産がこのように流出することが民衆に批判され、問題にされている。

RFA(Radio Free Asia)が貴陽和禧不動産資産評価公司と貴州省国土資源庁に電話をかけたがつながらなかったという。

千人以上の抗議に、当局は大量の警察官を出動させた。(写真=ネットユーザー)

生活を維持することが困難となった従業員らが道路を塞いで抗議(写真=ネットユーザー)

路上には何台もの警察車両が並んでいる。(写真=ネットユーザー)

抗議者の多くは定年退職した老人であった。(写真=ネットユーザー)

抗議者の多くは定年退職した老人であった。(写真=ネットユーザー)

(翻訳・坂本)