四川大地震:五輪トーチ・リレー中止を求める民衆の声

2008/05/14
更新: 2008/05/14

【大紀元日本5月14日】12日に発生したM8・0の地震により、震源地・汶川地区の交通と通信が寸断されている。このため6万人の住民が音信不通となり生死が不明。四川、甘粛、陝西、重慶、雲南、山西、貴州、湖北の8省市では死者が9219人を超えている。このため、6月15日から18日に四川省内で行われる予定の五輪トーチリレー及び民衆が財政的に負担する項目や工事の取消し、全ての政府および社会資源を直面している救済活動にあてるよう政府に求める声が上がっている。さらに、国際専門組織の被災地入りを直ちに許可し、救援活動に参加することも呼び掛けた。しかし、北京五輪委員会関係責任者は「四川のトーチリレーを一時休止するかどうかは実際の状況を見て判断する」と伝えたという。

新華社によると、四川省アバ・チベット自治州政府は今日午後12日の汶川県映秀鎮を含む臥龍特別行政区、三江郷、漩(せん)口鎮等の地震震央地区に住む約6万人の住民が未だに音信不通で、交通と通信が寸断されている。現在、被災地区からの情報は届いておらず、住民の安否を知るすべはない。

*北京五輪委員会:四川トーチリレーの実施は実際の状況を見てから

人民網によると、今回の四川大地震による人員の死傷情況は6月15日から始まる四川省内の五輪トーチリレーに影響があるかについて、北京五輪委員会関係責任者・盛国輝主任は「四川のトーチリレー一時休止は実際の状況を確認してからだ。我々は現在、このような指示を受けている」と答えた。

ネット情報によると、10点xun_ネ上前に四川省アバ・チベット自治州一帯で地震のうわさが広まり、同自治州防震減災局に電話の問い合わせが殺到したという。しかし同局ははっきりとデマであると断言し、さらにマルカム県防震減災局にデマの出所を調べる措置を要求した。デマを打ち消し、四川省政府は事件を鎮めた報告をネット上で発表した。

強烈な地震が発生した後、四川省人民政府網は直ちに上記の報道全文を削除したが、ネットユーザーらは腹を立て、当局に説明を求めている。

あるネットユーザーは、中共が一貫して政治を重要視し、状況を故意に隠ぺい、民衆の知る権利を奪ったために重大な生命の損失を招いたと書いている。

また、あるネットユーザーは今回の地震は以前発生したSARSと同様、民間が早めに関知したにもかかわらず、デマとして当局から圧力を掛けられた。今回の地震から中国共産党政府は真相の事実を覆い隠して偽った報告をしたことだけではなく、執政と分散能力の極度の低下が見られる。このため突発事件が起こると最初に内部が混乱してしまうのだと指摘している。

あるネットユーザーは「災害が発生する度に政府は情報を封じ込めてしまう。問題が現れる度、政府は救援活動を良く行ったと言う。死者が出る度、政府は家族を見舞ったと話すばかり。これが何の役に立つというのだ。中国よ!なんと悲しいのだろう!」と伝えている。

*人命をおざなりし、五輪の政治目的だけを重視する中国共産党

中国問題評論家・任百鳴氏が13日に発表した評論の中で、中共当局は30年前の唐山大地震の時、情報を得ていたにもかかわらず公開しなかったため数十万人の死者を出してしまったという教訓から何も学んでおらず、さらに五輪期間中における社会安定という政治的要求から再び情報を公表せず甚大な人命と財産を失った。

任氏は、4月28日に起きた五輪宣伝列車の脱線事故において当局は迅速な現場処理を行い五輪宣伝列車については言及しなかった。手足口病が大連で発生した時も五輪を保護するため疫病情報を厳重に封鎖した。そして今回の四川大地震でも、素早く新華社ネット上で一様にすべて正常に回復したと伝えている。中共は人命をおざなりにし、最重要の一点だけを根拠にしている。すなわち、五輪の政治的需要を重視しているだけで、これは中共にとって現在最高の「科学」的判断であると考えている。

さらに同氏はこう予測している。たとえ北京で間もなく中共に地震発生のような天罰が下されるという歴史的大予言がされたとしても、中共が行うことは2つのみ。一つは政府高官の避難手配、もう一つはネット上の記録削除である。庶民の生死、またどのようなことができるか、中国共産党は庶民を自分達の罪の犠牲として利用してきた。このような歴は今なお継続している。

また、あるネットユーザーは「中共の今の内乱から予測すると、中共は一度崩壊すると、これらの政府職員もみな早いうちに一目散に逃げていなくなるだろう」と指摘した。

(翻訳・坂本、編集・藤川)