【大紀元日本11月20日】ドイツ・フランクフルト検察当局は11月13日、同国の臓器移植斡旋業者「徳中医療」社(http://www.germany-medical.com)を家宅捜査し、一部の資料を押収した。大紀元の取材に応じた検察関係者によると、同社は世界範囲で違法な臓器取引を行っているとの疑いがあり、検察当局は同社のドイツ国内での業務状況を中心に調べている、と明らかにした。ドイツの法律では、人体臓器の売買を行ってはならず、移植患者でさえ最高5年の実刑判決を科せられるという。
「徳中医療」社は、中国、コロンビア、フィリピンなどの専門病院と協力関係を構築、世界各地の臓器移植を必要とする患者に最短な時間内に臓器を提供できるとアピール、「多くの専門病院と独自の協力関係を結んでいる、数百例の臓器移植の斡旋に成功した。最大の優位は、最短の時間内に適合する臓器が見つかること」「たとえば、腎臓移植の待機時間は短ければ数日、最長でも2週間」などと宣伝していた。
そのホームページでは、「業務の中心は生体腎臓移植、…手術は中国有名の医療機構で行い、これらの機構は1千から2千例の腎臓移植の経験を持っている」「これらの機構は中国国内各地の地方病院と密接な関係を保ち、膨大な取引ネットワークを有している」と説明している。
検察当局の家宅捜査を受けてから、そのホームページが閉鎖、事務所に電話しても、対応に出る人はいない。
同社への捜査のきっかけは、ドイツのテレビ局2チャンネルが製作した同社の世界規模の臓器取引を扱った番組である。この番組は11月13日に放送され、製作チームは4週間の現地撮影と取材を経て、世界規模の臓器取引ネットワークの存在を確認、「徳中医療」社はその中の一部分であり、ドイツ本部は実質上のペーパーカンパニーで、実際は香港にある、などと突き止めた。
2チャンネルのホームページでの関連番組の報道(大紀元)
同テレビ局の記者が香港で追跡調査を行い、いくつかの投資会社が同社の株主になっていたことや、これらの会社の企業登録が相次ぎ抹消されたことを確認した。また、その記者が香港のオフィスビル「鹿角大厦」で「徳中医療」社の事務所を発見したが、事務机一つしか置けない狭い部屋だったという。
同社の臓器取引の値段などを調べるために、2チャンネルの調査員は患者に扮し、同業者と接触した。
世界保健機構(WHO)の幹部ルック・ノール(Luc Noel)氏は2チャンネルの取材で、世界各地で「徳中医療」のような臓器移植斡旋業者が多く存在する、と述べた。
今年1月、中国遼寧省瀋陽市在住の軍の医者が大紀元に匿名情報を寄せ、「当局による違法な臓器移植の有力証拠を得るには、国外の臓器移植の仲介機構が重要な手がかりである」「これからの国外の仲介機構の多くは、旅行社、貿易会社、中国企業の国外支社などと名乗っている」「中国での違法な臓器移植が国内外で関心を集める中、国内での臓器移植は行われていないのではなく、さらに隠ぺいされている」「臓器移植は厖大な経済利益をもたらすため、関係者は安易にやめることはない」などと証言していた。今回のドイツでの摘発は、この軍医の証言をある程度裏付けた。
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