インド:チベット人大規模デモ、中国当局との対話などを要求

2007/08/10
更新: 2007/08/10

【大紀元日本8月10日】インドと世界各地のチベット亡命者約2万人が8月8日、ニューデリー市中心部に集結、中国当局に対し、パンチェンラマの即座の釈放を求め、大規模なデモを行った。デモのもう一つの目的は、中国の胡錦濤・主席とチベット亡命政府の指導者ダライ・ラマとの平和な対話を要求、チベット人に行政自主権を還元するよう求めた。デモ行進は終始平和的に行われたもよう。

デモの主催者は「チベット青年の会」。参加したのは、「チベット婦女の会」や「チベットの友」「チベット青年大会」などの団体のメンバー1万人あまり。そのほかには、チベット亡命政府の所在地、インド北西部のダラムサラ地区の チベット人ラマ僧千人あまり、また、多くの欧米人支援者もこのデモに参加した。

1970年に成立したチベット青年大会は、現在約3万人のメンバーを抱え、大多数はチベット族の青年、全世界11カ国78支部を擁する。チベット亡命組織において、最も規模が大きく、影響力も大きいという。

同大会の事務局長ツゥチン・タジェ氏は、「中国当局による長期的な漢族化統治の中、チベット伝統佛教と伝統文化は徐々に無くなった。チベットの名も存亡の危機に直面している。チベット文化とチベット人の幸せを挽回するために、チベット青年大会は共感する同胞と共同に責任を背負い、今回の自発的な大規模デモを計画した」と説明。

タジェ氏は、「デモの目的の一つは、中国当局に対し、拘禁されているパンチェン・ラマとリンポチェ(Tenzin Delek Rinpoche)の即時釈放を要求であり、二人はチベット佛教を守るために中国当局に逮捕・投獄され、いまだに行方不明で、生死も分からない…」と語った。

二つ目の目的は、中国胡錦濤・主席と、ダライラマとの平和会談を要求。タジェ氏は、故・_deng_小平は1979年に、「チベット独立さえ論じなければ、どんな話でも交流できる」と話したことを挙げ、「チベット亡命政府は幾度も誠意を持って、相手を労わり、双方が受益する条件での対話を提案してきたが、中国当局は一貫して、応じてくれなかった」と説明した。

また、三つ目の目的として、中国当局に、チベット人の行政自主権の還元を要求することと説明し、「今年5月、チベット護持会はヨーロッパで会合を開き、全会一致で、『2008年北京オリンピックの前に、世界にチベット問題を伝える』との決議を可決した。今回のデモの目的は、すなわち、中国当局に対し、チベット人に行政自主権を還元することを要求している」と説明した。

デモのスタート地点は、14人のチベット亡命者が無期限ハンスト(断食抗議)の現場でもある、抗議の意を示すために、すでに1カ月以上食事を取らないでいるという。健康状態は極めて芳しくないという。

タジェ氏は、「昨日、ダライ・ラマは、命は最も尊く、断食を止めるべきだと指示したが、14人の意志が固いため、いまも継続している。彼らは、『中国当局が応じるまでに、断食を続ける、例え、命を犠牲しても構わない』と決めている」と明かした。

チベット青年大会は最近の声明文で、「中国当局がチベット人の要求を完全に無視しているため、近いうちにチベット人民運動との活動を発起する」と宣言し、中国当局に対し、チベット現地の人権状況を調べるために、国外亡命者のチベット帰還に同意するよう要求した。