【大紀元日本5月11日】ロシアのプーチン大統領が、中央アジアの天然ガスと石油の産出輸出国であるカザフスタンとトルクメニスタンを一週間歴訪する遊説に出発した。プーチン大統領は11日から両国首脳とエネルギーの供給について協議するものとみられる。
BBCによると、カザフスタンはこれまで常にロシアよりの外交路線をとり続けてきたが、トルクメニスタンもまたその政治的トップが急逝したことにより、ロシアに外交的有利な状況が見えてきたため、「機を見るに敏な」同大統領がさっそく中央アジアに楔を打ちに出たものとみられる。
しかしながら、協議では三首脳それぞれに異なった思惑があり、ロシア側は、これまでの旧ソ連時代から積み重ねて来た中央アジアでの外交実績にものをいわせて、新しく台頭してきた外交上のライバルである中国と西側諸国をしりぞけたい意向だ。
カスピ海の攻防
ロシア側は、トルクメニスタンの天然ガスをカザフスタンとロシア領を経由してパイプラインで欧州に提供したい考えで、欧州にエネルギーを供給するカスピ海ルートをさらに強固なものにできるものと期待している。
カザフスタンのナザルバエフ大統領は、これまでもロシア寄りの外交路線を重視し、カザフの天然ガスと石油を西側に輸出してきた。ナザルバエフ大統領はロシアよりの外交に楽観的であり、他の可能性を模索しないものといわれる。
カザフスタンはすでにタンカーを使ってカスピ海を横断し、石油を輸出している一方で、パイプラインでロシアにも送っており、バクー・チェチェニアのパイプラインは、アゼルバイジャンやトルコを経由している。
トルクメニスタンの新指導者となったグルバングリ大統領の思惑はいまだ明瞭ではないが、消息筋によると、ロシア側が提示するカザフ経由のパイプラン案を承諾するものとみられている。
先週、トルクメニスタンの新指導当局は、米国のシェブロン社がカスピ海におけるトルクメニスタン経済セクターと提携することを許可した。これについてもプーチン大統領は、その真意を量りに行くものとみられる。
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