【大紀元日本12月3日】中国衛生部の発表によると、10月までに政府側の統計データーでは中国のエイズ・キャリアは18万3,733人、2005年末の14万4,089人と比較して28%上昇した。そのうち、4万667人が発症、主要な感染経路は薬物常用の静脈注射によるものだという。
中国衛生部疾病抑制局の郝陽・副局長は、「HIV感染とエイズ感染者の報告件数の増加は、エイズの中国での流行は深刻であり、更に広がる危険性も高いことを示している」という。
国連・駐中国エイズ防止啓蒙センター(UNAIDS)の職員ジョエル・レンストローム氏によると、中国のエイズキャリア人数が増えていることは、当局は以前より多くのエイズ検査を行っているため、多くの感染例が報告されているという。また、エイズ感染が多くの地区で増え続けていると意味しているという。
中共当局はここ数年、エイズを隠蔽し続けてきたが、エイズ・キャリアの激増に近年方針を転換し、無記名検査や無料治療、感染者に対する差別の禁止などの指導をし始めた。
ジョエル氏によると、中国政府の発表ではエイズ・キャリアが増え始めた1999年以来、毎年30%づつ増加している。しかし、実際にはこの4~5倍とみられているという。政府の衛生調査では、買春者のうちコンドームを使用するのはわずかに39%、薬物常用者の約51%が注射針を使い回ししているという。郝陽・副局長によると、「疾病者数は看過できない勢いで流行している」という。
エイズが中国で氾濫している主要な原因は、不健全な血液売買市場と医院での輸血感染が原因だ。中国では2005年にすでにこれらの不健全な売血を禁止して感染経路の遮断に努めてきたが、郷村地区では、新たな感染症例も確認されるようになった。
妊娠した母親から胎児への感染率は1%程度だが、当局は感染経路を特定できていないという。識者によると、中国のエイズ・キャリアは数十万人だが、そのほとんどは自分がキャリアだと自覚認識していないという。2005年末、中国当局と国連は、いまだ名乗り出ていない人たちを含め、中国のエイズ・キャリアを60万人と推定した。
国連は11月末、エイズに関する報告書をまとめ、全世界のエイズ・キャリアを3,950万人と推定、感染者と死亡者数は増加し続けており、各地区のエイズ感染者も、全てが増加の傾向にあると指摘した。
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